第14話

しかし、ファスナーを開けていくと、汗の臭いと篭った空気の向こうに見えたのは黒光りした背中。

触ってみるとラバーのような感触。


驚きながらもアマテラスの着ぐるみを脱がせていく。

顔もラバーマスクを被っており、目のところにはよく見ると細かな穴があいている。

口は小さな穴があいており、ここから水分補給や俺がチューブを突っ込んだ時、咥えていた事が分かった。

鼻には細かな穴すら見つからないので、これで嗅覚が絶たれて、ビールを飲んだのだと理解した。


着ぐるみを脱がせるに当たって一つ問題があった。

それは先ほどの入浴で着ぐるみ内に水が残っていた。

それほど大量の水が出てくるとは考えにくいが念のため、床にラバーシーツを敷いて、その上にバスタオルも敷く。

その上に遥を着ぐるみごと移動させた。


なぜ、ラバーシーツを持っているかというと、遥には秘密にしていたが、俺はラバーフェチでもある。

普段は遥も好むのでSMプレイしかしていない。

だが、1人の時は全身ラバースーツを着込んでで楽しんでいる。

その際に使っているのがこのラバーシーツ。

この上ならラバースーツを着易くするためのドレッシングエイドを溢しても心配する必要がないからだ。


さて、遥の着ぐるみだが一体となったグローブを脱がせて残るはブーツ。

ブーツも内側のくるぶし辺りから膝下辺りまでにファスナーがあり、それをブーツのデザインで上手く隠されていた。

そのファスナーを開けると、ブーツは簡単に脱がせる事ができた。


これで着ぐるみを全部脱がし終えた。

やはり、水分が残っていたようで、バスタオルがグッショリ濡れている。

バスタオルとアマテラスの着ぐるみを持って浴室へ行く。

バスタオルは洗濯カゴへ、アマテラスの着ぐるみは内側をサッとシャワーで水を掛けて、干して置いた。

ブーツのファスナーから水滴が滴っているので、水分はある程度抜けそうだ。


戻ってみるとまだ遥は眠ったままだった。

ゆっくりとラバーマスクを脱がせてみると、マスクの下から遥の可愛いすっぴん顔が出てきた。

俺はすっぴんでも可愛い遥のぷるっとした唇に口づけをした。

遥の唇からはアルコールの香りがした。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る