第11話

風呂から上がって、脱衣所でアマテラスの全身を拭いてやる。

着ぐるみを着ているので自分で拭くのが難しいと思ったから。

先にアマテラスを出してから、俺自身も体を拭いて簡単に髪を乾かしてTシャツ、トランクス姿で出てくると、寝室のベッドにアマテラスが腰掛けて、待ってくれていた。


さあて、テープによる【アマテラス擬人化作戦】を実行する。

その前にもう一度少し語気を強めて確認する。

「本当に着ぐるみを脱がないんだな」


「これは着ぐるみではありません、巨大ヒロイン アマテラスの体そのものです」


「よし、分かった、でも今から買い物に一緒に行くので、その姿は目立ち過ぎる、そこでこれから俺がアマテラスを目立たなくしてやる」

アマテラスは、分かったというように大きく頷いた。


先ずは関節以外のところに業務用ラップを巻き付けてその上からテープやガムテープでそれらしく仕上げていく。

関節にもラップを巻くが、軽く巻いて可動可能にした上からテープを貼って仕上げていく。


そして完成した姿はなんとも言えない無様な仕上がりになった。

自慢じゃないが、俺は絵心が全くない。

それを体現した様な形となった。

動きにくい上に無様とくれば、当然出かけたくないと言われる。


それでも引き摺ってでも買い物に出るため、スマホ、財布、家の鍵を出ようとして、スマホのメッセージ着信に気づく。

メッセージの相手は遥!?

既読もちゃんとついているし、メッセージも返って着ていた。


【お誕生日おめでとう!仕事が終わったから今からそっちに向かうね。ところで添付された写真と動画よく分からなかったから、後で教えてね】とあった。


俺は驚きを隠せずに、ラップとテープで中身を分からなくしたアマテラスを見た。

「あなたは一体、誰なの?」

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