第10話

お風呂のお湯も溜まったので、一緒に入ろうとアマテラスの手を引くが、乗り気ではない。

それでも強引に引っ張るとアマテラスは動いた。


湯舟に浸かると、水圧で残っていた着ぐるみ内のお湯が少し出てきた。


「遥、もういいよ着ぐるみ脱いだら」

俺がそう言うと、アマテラスはビクッと反応した事からも遥である事は間違いない。


なぜ分かったのという顔で俺の顔に顔を近づけるアマテラス。

俺は頭を片手で固定して、アマテラスのマスク越しにキスをした。

「直接、遥とキスがしたくなってきたから」

というも頑として受け入れない遥。

「私は宇宙から来た巨大ヒロイン アマテラスです、遥ではありません」


まあ、遥は頑固で一度言い出すと簡単には曲げない性格だ。


ならば、別の案で遥を着ぐるみから出たくなるような作戦を立てる。

名付けて【アマテラス、擬人化作戦】


作戦はこうだ。

アマテラスの関節以外のところにラップを巻いて、その上からガムテープやビニールテープで、足元なら黒のビニールテープでブーツぽくし、肌の部分はガムテープを貼り、服もビニールテープで服を描いていくという作戦だ。


こうしてアマテラスとは分からなくして、俺の誕生日プレゼントを買いに出かけるというもの。

これなら恥ずかしくて、さすがの遥も諦めて着ぐるみを脱ぐと言い出すに違いないと思った。


のだが。

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