第8話

途中から彼女と表現したのは、彼女とはアマテラスを指すとともに俺の彼女である笠木 遥を指していた。

遥かも知れないと気づき始めたのは、紙とボールペンを渡して筆談をした時、間違えた箇所を彼女は黒く塗り潰した後、黒く塗り潰した所に耳を付け加えてネズミのようにする癖があり、アマテラスも同じ事をした。


そして、決定的だった事は俺のお腹が鳴った時、アマテラスは初めて来たはずの家にも関わらず、遥がエプロンを入れている引き出しからエプロンを取り出して食事を作り始めた。

調味料も何もかも俺が教えなくても、当たり前のように調理してみせた。

極めつけは、俺の茶碗と箸を間違えずに出したこと。

さらにトドメはいつも遥がご飯を作ってくれた時、俺の様子を見るのに頬杖をついて俺の様子を伺う仕草。


もう、こうなればアマテラスの正体は遥しかいないと確信した。


だから、寝室でのプレイは俺にとって可愛い愛しの彼女との夢のコスチュームプレイが実現した。しかも彼女が率先して巨大ヒロイン アマテラスになってくれているのだから堪らなかった。

さらには願いを叶えてくれるというので、今まで拒まれていたプレイも実現した。


まだまだ、このまま遥とプレイしていたい気持ちもある。

そこで考えた遥を解放する条件として、これからいつでもアマテラスになってもらうという条件を突きつける事にした。



「聞こえていたら少し体を動かして」

俺の問いかけに体を動かすアマテラス。

「これから言う事にYESなら動いて、NOなら動かないで、理解しましたか?」

『ギシギシギシ』体を動かすアマテラス。


「そろそろ、動ける様になりたいですか?」

『ギシギシギシギシ』

「では、着ぐるみを脱ぎたいですか?」

『……………… 』

「着ぐるみは脱ぎたくないが、動ける様になりたいという事ですか?」

『ギシギシギシギシ』


アマテラスは脱ぎたくないのか、それとも脱げないのか、それとも正体がバレたくないのか?

俺がアマテラスの中身が遥だと気づいている事を彼女はまだ知らない。

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