10話 旅館編 下

その女子生徒は、声を発さずに僕の側に寄って側に座った。


「……え。」


即座に僕の服…ワンピースを脱がせられた。余りの早技に瞠目していると、温かい感情が背中に感じて、一気に体の全体に駆け巡る。


乾いたタオルで僕の体を拭いてもらい、浴衣を着替えるのを手伝ってくれた後、一方的にボコされている谷口くんを一瞥してから呟いた。


「出欠確認。行くよ…」


「痛い!!…あ。副委員長ちゃんじゃないか。」


「出欠確認…はぁ!?もうそんな時間か。早く戻らないと…お。確か…残雪だったか。全部やってくれたんだな?助かるぜ。ありがとな。」


女子…残雪さんは何も言わずにそそくさと出て行ってしまった。


「…?まあいいや。おい行くぞ。何打ちひしがれてるんだよお前は…….また来るからな佐藤。電気消しとくからな。」


「うぅ。やまねちゃんの介抱…やりたかったぁ!!」


襖が閉められて、僕以外誰もいなくなったのを確認してから布団を被って目を閉じた。

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