5話 飛行機編 上

空港に到着して、何とかギリギリで時間通りに搭乗する事が出来た。


「な?何とかなったろ?」

「……。」


納得出来ない。というか、したくない……


「僕…男なのに。」


「お、見ろよ!!富士山見えるぜ?」


「……そうだね。」


「?何不貞腐れてんだ??…っぷ。」


「何でもないよ。」


そう言って僕は、エチケット袋を山崎くんに渡した。


「オエエエエエ……あー少しマシになった…ありがとな。」


「良かった。着くのにまだ時間がかかりそうだから…僕は寝るね。」


予備のエチケット袋をいくつか渡してから目を閉じると、肩を強く揺さぶられた。


「…山崎くん?」


「色々と世話になってる自覚はある。その借りは必ず返すぜ。それはそうと…頼みがある。」



耳元で囁くように言った。



「俺の首を絞めてくれ。」

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