2話 バス編 上

僕のクラスは1組で、友達は実はまだ…出来ていない。


「…あの。僕と友達に」


「……あ、ひゃ…さ、佐藤さん!?ごめん、忙しくて…また今度で!!」


「あ。行っちゃった。」


同性のクラスメイトに怖がられているのだろうか。そう思って試しに、クラスメイトの女子に勇気を出して、僕の悩みを打ち明けてみた事がある。


——それはアンタ…っ。何でもないわよ!!


それ以上は何も言わずに、追求しようとしたが最後は泣き出してしまった事は記憶に新しい。


だから、バスや飛行機の位置決めも僕は最後まで残る始末だった。


「……おい。お前…寝てんのか?」


「…?」


こういう席決めは結局は最後に残った人で組む事が殆どである。僕は考えるのをやめて、目を

あけた。


「山崎君…どうしたの?」


「……全員寝てるからな。話し相手になっ…」


山崎くんの顔が真っ青になったのを見て、咄嗟に僕はエチケット袋を……取り出し、て。



「お…オロロロロロロロ!!!!!!!」



もう全然間に合わずに、その酸っぱい匂いがバスの中に充満して、皆が起きるのも時間の問題だった。

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