第30話 僕のため
普通ってなんだろう。
僕は普通ではないらしい。
でも僕も蜜柑も、母さんも普通だと思う。
一般ピーポーだと思う。
だって僕のことをこんなにも愛してくれているのだから。
「桐谷くんのお家行ってもいい?」
腰を落とし上目遣いで訊ねてくる本条さん。
そんな言われ方したら断れないじゃないか。
「うん。いいよ」
それにしても、家に来たがるなんて。
これはワンチャンあるんじゃないかな。
まあ、僕は本条さんのこと、そんな目で見ていないけどね。
家に帰ると、ちょうど妹の蜜柑が母さんの車を片手で持ち上げて車庫に入れているところだった。
「これもおかしいからね!?」
本条さんがチワワのように声を荒げる。
「え。どこが?」
「いや、持ち上げられないでしょう!?」
「そうなの?」
「お母さん。おにぃが彼女連れてきた!!」
「このメスガキ、なにしにきた!!」
「お母さん!?」
家から包丁を持って現れる僕の母。
「うちの
「い、いや、ええ……」
僕が困っていると、本条さんが前にでる。
「わたしはこのおかしな状況を変えるために来ました。もう桐……友昭くんを巻き込まないでください!!」
本条さんは風魔法で包丁を吹き飛ばす。
「僕を巻き込む……?」
どういうことだろう?
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます