第9話 マ?
鉄球でお手玉しながら僕はババ抜きをしている。
その相手はもちろん
「ねえ、
疑問符を浮かべる本条さん。
そりゃそうだ。
外ではしない約束だもの。
「うん。外だと危ないからお家で遊びなさい、って」
本条さんは頭が痛くなったのか、こめかみに指を当てる。
そんな姿も様になっているのだから、彼女は本当に魅力的だ。
いや、でも異世界帰りか。色々と面倒なことに巻き込まれそうで嫌だな。
異世界臭がするもの。
「それにほら」
僕は困ったように頬を掻く。
「外ですると恥ずかしいから」
「ん?」
本条さんの顔が溶けていく。
「ほら、真面目すぎるって」
「えー。あー」
生返事を返す本条さん。
「家訓を守るのも大変だよね」
「ほーん」
どんな感情の流れだろう。
「我が家では何があってもいいように、毎日鍛えよ。そして人を助けるため、人類のため、地球のために生きよ。そしておごり高ぶるな、という家訓があるんだ」
「ながっ」
本条さんが呆れたような顔を浮かべる。
僕たちはババ抜きを終える。
「今日は楽しかったよ。ありがとう」
本条さんは少し引きつった笑みを浮かべる。
「ここマナが吸われているね」
「マ? な、なに?」
「桐谷くんも若者言葉使うんだね。ちょっと古いけど」
「うん?」
僕はよく分からずに首を傾げる。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます