第2話 出会い
結局、その日の放課後になった。
休み時間も突撃したけど、本条さんはいなかった。
どうやら他の場所に逃げていたらしい。
異世界帰り、というのも怪しい。
僕はひとり帰路についていた。
刺激が欲しいだけで、彼女のことが気になるわけじゃない。
そもそもどんな人なのかも分からない。
そんな相手を、僕はどう思っているのだろう。
反省。
光に寄せられる虫みたいなものだ。
そんなのワガママじゃない。
だから僕は気にしないことにした。
明日もあるんだ。
僕の平凡な毎日はまだ続くんだ。
歩みを進める、と。
「うん?」
なんだか変な匂いがする。
「よっと。ここなら誰もこないよね」
苦笑を浮かべる女の子が一人。
壁にあるブラックホールみたいな空間から飛び出してきた。
僕は目を瞬き、目の前の異変にクラクラと立ちくらみを覚える。
「え」
僕はふらつく足取りでその場に倒れ込む。
「だ、大丈夫!?」
女の子は僕を支えてくれた。
「ヒール」
手を伸ばす彼女は優しく暖かった。
しばらくすると僕のたちくらみは収まり、気持ちも落ち着いてきた。
「わたし、本条
「僕? 僕は
本条ってあの本条さんかな?
回復すると、僕は本条さんから距離をとる。
ちょっと近くて、照れ臭かった。
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