第150話 たとえ人を棄ててでも
『サードスキル……
『その通りだ、エイハ』
繰り返し発動を重ねるうち、そう推論するに至った。
それが確信となったのは、二十五階層へと辿り着き、制限解除が果たされて以降の半月、エイハを協力者に据えて執り行った調査の最中。
『こう、使う度に引っ掛かりを感じるんだよな。本当なら十のチカラが引き出せる筈なのに、三か四しか扱えていない。そんな感覚だ』
『さっきクリーチャー相手に戦ってた時は、とてもそんな風には……』
『Eランク相手じゃ、そもそも使っても使わなくても変わらんからな。弱いし』
『……家とか叩き潰せるレベルの怪物をガーディアン抜きで倒せる人なんて、キミ達特級だけだと思うけど。四人ともファーストスキルの時点で威力おかしいし……』
サードスキルの出力制限解除。こいつもまた二十五階層の
そして理路整然と考察を組み立てれば、その使い方にも自ずと行き着く。
ついでに言うと、ラーズグリーズが断片的にではあるが、情報を持っていた。
『
『……ボク達人間にも、オーバーロードが使えるってこと?』
『と言うより、あれは恐らく元々人間用だ。いくらなんでも燃費が悪過ぎる。そもそもガーディアンって存在の規格に合わせて作られたチカラじゃない』
即ちD+ランクガーディアンの真の運用方法は、制限が解かれたサードスキルの出力を最大限発揮させるための
『必要なものは二つ。第一に、身を捧げてくれるガーディアン』
二者の合一により
その言葉が意味するところなど、考えるにも及ばない。
『主従、家族、恋人、ペット……なんでもいい。自身を差し出そうと構わない、それくらいの関係性を構築したガーディアンの協力が、まず必須』
そして。
『……リミッターが外れた
最悪、理性どころか知性すら失った醜悪な化け物へと変貌し、周囲に対する無差別な破壊行為を始める可能性だって十二分に想定出来る。
そうなったら最早そいつは人間ではない。ガーディアンですらない。ただの人類への敵対者、新たなクリーチャーだ。
つまり、この真なる
『人間をやめる覚悟。そいつがあって初めて、
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