未来へ

勝利だギューちゃん

第1話

「私、大きくなったらアイドルになるの」

「もう、大きいだろう?」

「高校生くらいってこと」


幼馴染の女の子との中学生の頃の会話。

彼女の夢は、アイドルになることだった。

でも、それは通過点。


国際的スターになって、世界へと羽ばたいていくのが夢だった。

僕も、その日を楽しみにしていた。


だが・・・


「みんな、今日は私のために集まってくれてありがとう」

ステージの上で、大勢の観客の答える彼女の姿がそこにいた。


有言実行なのか、彼女は国際的スターとなり、羽ばたいてゆく。

今日は日本での最後のライブ。


これからは、活動の拠点は海外となり、日本にはそう戻ってこないだろう。


彼女が、舞台で元気に踊っている。歌っている。

とても、眩しい。

直視できない。


僕は、そっと会場を後にする。



「いかがでした?」

「何が?」

「今宵の宴は」

「満足だよ。ありがとう」

「喜んでいただけて何よりです」


今、僕はいるのは作られた世界。

彼女も、観客も、そしてこの世界も、全てがバーチャルだ。


この世界で遊ぶのが、僕の日課だ。


「次は、どのような世界をご希望ですか?」

「この続きを頼む。任せるから」


未来は選べない。

なら、作ればいい。


「この世界は、一度消去しますね」

「ああ」


何もない、世界になる。

いるのは、僕とその助手。


さてと・・・

未来のために、動き出しますか。

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未来へ 勝利だギューちゃん @tetsumusuhaarisu

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