第8話
香織、涼介、そして俊介は、教会で得た新たな手がかりを元に、次の目的地である遺跡へ向かう準備をしていた。彼らは夜明け前に出発し、車に乗り込んだ。
「この地図が示す場所は、かなり辺鄙なところにあるようだ。」
俊介が地図を指しながら言った。
「急いで行きましょう。シャドウが再び現れる前に手がかりを掴むわ。」
香織がアクセルを踏み込む。
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車は山道を駆け抜け、険しい道を進んでいく。霧が立ち込め、辺りは薄暗かった。涼介が前方を睨みながら、
「気を抜くなよ。ここからが本番だ。」
と注意を促す。
「遺跡に近づけば近づくほど、シャドウの妨害も激しくなるはずだ。」
香織が冷静に答える。
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ようやく遺跡に到着した三人は、車を降りて慎重に周囲を見渡した。遺跡の入口は古びた石で覆われ、長い間人の手が入っていないようだった。
「ここが目的地ね。」
香織が息を整えながら言った。
「この中にエターナル・ジェムの手がかりがあるはずだ。」俊介が遺跡の入口を指さした。
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遺跡内は暗く、涼介が懐中電灯を取り出して先を照らした。古代の壁画や彫刻が薄暗い光の中に浮かび上がり、どこか神秘的な雰囲気が漂っていた。
「ここに何が隠されているのか…」
香織が呟きながら、壁画を見つめる。
「この遺跡には、多くの秘密があるようだ。慎重に進もう。」
涼介が前を進みながら言った。
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突然、遺跡内の暗がりからシャドウが現れた。彼女たちは無言のまま、三人を取り囲むように現れた。
「また会いましたね、探偵諸君。」
シャドウのリーダーが静かに言った。
「ここで終わりにするわ。エターナル・ジェムは私たちのものよ。」
香織が鋭い視線を向けた。
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涼介が一瞬の隙をついて、シャドウの一人に飛びかかる。しかし、シャドウは素早く反撃し、涼介を押し返した。香織もシャドウと対峙し、激しい接近戦が始まる。
「君たちは何者なんだ?」
涼介が息を切らしながら問いかける。
シャドウは冷静に、
「私たちはジェムを守るために動いている。君たちもその本当の価値を知るべきだ。」
と言った。
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戦いの中で、香織はシャドウのリーダーに接触し、その胸の膨らみに気づく。
「あなた…やっぱり女性だったのね。」
香織が驚きの声を上げた。
シャドウのリーダーは微笑み、
「私たちは三姉妹。エターナル・ジェムを守るために戦っている。」
と告白した。
「どういうこと?」
香織が問い詰める。
「ジェムの力を悪用しようとする組織がいる。それを阻止するために、私たちは影で戦っているの。」
シャドウのリーダーが説明した。
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シャドウのリーダーの言葉に、香織たちは一瞬戸惑う。しかし、真実を知るために話を聞くことにする。
「もし君たちが本当にジェムを守るために動いているなら、協力できるかもしれない。」
涼介が提案する。
「まずはジェムの所在を突き止める必要がある。あなたたちの協力が必要だわ。」
香織が冷静に付け加える。
シャドウのリーダーは少し考えた後、
「良いでしょう。しかし、私たちを裏切れば容赦はしないわ。」
と警告した。
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香織たちはシャドウの三姉妹と一時的な同盟を結び、エターナル・ジェムの真実を探るために協力することを決意した。
「次の手がかりを見つけるために、一緒に動こう。」
香織が手を差し出す。
「協力しましょう。しかし、全てが明らかになるまで安心はできないわ。」
シャドウのリーダーがその手を握り返した。
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