第15話 お城

王都に向かう途中、リオンの体は

龍人化から少しずつ人の姿へと戻っていった。


「リオン……一つ忠告をしておくが、龍人化は

あまり使わない方が良いぞ! あまり力を解放し過ぎると、人に戻れなくなる。」


「ああ……龍人になったから、何となく分かってはいる。

あの時、ベルが取った行動が無ければ戻れなかったかもしれない。」


それは、あの時! 

ベルが取った行動により。

リオンは、体の奥底から湧き出る怒りとその後の安堵で正気を取り戻す事が出来た。


ただベルが心配して、リオンを止めていただけでは正気に戻れていたかは分からない。


そう思い……

今後は、龍人化は気をつけようと思った。


そして、王都に近づくと近くの森に降りーー

歩いて王都に向かった。


その頃には、ベルは正気を取り戻しーー

少し恥ずかしそうにしていたので、リオンがベルを強く抱き締めると嬉しそうにしていた。


それから、リオン達は

王都に着くと、まずギルドに向かい!

黒龍の報告をした。


勇者のしるしを見せるとすぐに、納得してくれて国王へと話を通してくれると言ってくれた。


それから、少しして

ギルドマスターに呼ばれたリオン達は、ギルマスと共にお城へと向かった。


ギルマスは、兵士に事と次第を伝えると兵士は王の元へと急ぎ案内をした。



「……と、言う訳です! 国王ーー。」


「しかし、それならば……勇者の帰りを待った方が良いのでは!?」


「勇者が戻ってくるまで、黒龍が待ってくれるとは限りません!

兵を準備しておくのは、必要かと思います。」


「遅くなれば、この街が戦場となってしまいます。

その前に、黒龍を止めなくてはなりません。」


すると、ハクが……


「お前達に、など大して期待はしておらん。

魔法を使える者を集めてくれ!

黒龍を囲むように配置する。」


「何だ!? 貴様のペットは、無礼だぞ!」


「その通りだ! 王の間に、ペットなど連れて来るだけでも無礼だと言うのに、指図をするとは……なんたる!」


すると、王女様が声を上げた。


「皆様、口をつつしみなさい!

彼らから漂う聖なる気が分からないのですか!?

こちらの方々は、きっと聖龍様の使いの方達です。」


「聖龍じゃと……」


「それは、本当なのですか?

王女様ーー。」


「我が娘が言っておる。

本当の事であろう……」


「それに気づいだから、勇者様もしるしをリオン様に渡したのだと思われます。」


本当は、条件を付けて助けたうえに

意識を失っている隙に、借りて来たのだが……

まぁ、勝手に良いように解釈してくれているんだ。

別に、訂正する事もないだろう。


なので、とりあえず……話を合わせた。


「ならば、この国ーー随一の魔導兵と一般兵5万をお主に与えよう。

それで、黒龍を討ち取るのだ!!!」


「偉そうに……」


「まぁ、良いじゃねーか。

別に、俺達のやる事は変わらない。」


「それも、そうじゃな……

お前の魔力を回復する為の餌は、確保する事が出来た。

それだけでも、良しとするか……」


「ちょっと待て! 魔導師達は、俺の魔力をを回復する為の餌と考えているのか?」


「当たり前じゃろ! ベルだけに負担はかけられん。」


「いや……」


「負担などでは、有りません!

人を食べるなら、私を1番に食べてくださいよ。リオ!!!」


「おい! ベル……まだ、治ってないのか?」

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