第14話 条件
「まぁ、ヘルメスは納得しないと思うが……
助けてもらったんだ! 条件を飲もう。」
「ええ……命を助けて貰った借りは返すわ。」
「まぁ……まだ、助かったとは言えんがなーー」
3人は、ベリアルがリオンを止めてくれる事を願った。
*
そして、リオンの元に向かったベリアルはーー
ヘルメスを猛攻するリオンの前に、立ち塞がった。
「やめて! リオンーーヘルメスを殺すなら。
先に、私を殺して……」
その言葉を聞いて、龍人と化したリオンは
凄まじ咆哮を上げるとーー
ベリアルに、飛び掛かった!!!
リオンは、ベリアルを押さえ付けるとーー肩辺りにかぶりつく!!!
「そう……それで良いの……貴方の1番を私にちょうだい。」
すると、魔力を吸ったリオンが意識を取り戻す。
「ベル……君は、ヘルメスを助けたいんじゃないのか?」
「あんな人、どうでもいい……
わたしは、貴方が人を殺すならーーその1番になりたいの。」
「……大丈夫か? ベル……すぐに、回復魔法をかける。」
そして、リオンはベルを回復させるとヘルメスを放って白龍の所へと向かった。
「ハク……ベルが少し変な感じがする。
さっきから、抱きついて離れないのだが……
何かあったのか?」
「まぁ、闇の魔力に当てられたのだな。
時期に治るじゃろう……」
「私は、もう貴方から離れない!」
「私達は、ヘルメスを助けてするわ!」
そう言ってミザリー達は、ヘルメスの元へと駆け寄った。
「リオン、体は大丈夫か?」
「まぁ……万全では無いが、ベルの血を吸ったおかげで何とか動く。」
「ならば、急いで王都に向かうぞ。」
「王都? 何故!?」
「お前達が、戦っている騒ぎを聞きつけて精霊達が集まって来ていたから。
少し話を聞いたら、黒龍は人が多く集まる王都を目指している事が分かった。」
「黒龍は、王都で何をしようとしているんだ?」
「それは、分からんが……
世界を滅ぼそうとする上で、人が沢山集まる王都は狙い目と言う事じゃろう。」
すると、意識を失ったヘルメスを連れてーー
ミザリー達が戻って来た。
「はい、これ!
約束の勇者のしるしよ。」
「助かる。
有り難く、借りていくぞ!」
「ベルは、どうする?」
「黒い霧に当てられて、自分の潜在的な欲望が表に出ているだけじゃ。
そのまま、抱きついていればーーいずれ正気を取り戻す。
そんな事より、急いで王都に向かうぞ。
この事を国王に、説明して軍隊を動かしてもらう。
勇者が居ない今、黒龍に対抗するには
それしか手はない。」
「その為の勇者のしるしか!?」
「そう言う事じゃ! いくぞ! リオン。」
「ああ……」
「私達もヘルメスが回復したら急いで戻るわ。」
そう言って、ミザリー達と別れたリオン達は王都へと向かった。
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