第8話 調査、森

それから、俺達は黒龍の被害にあった村に向かう為にーー森の中を突き進んでいた。


しかし、この森も以前の森とは違い! 

魔物の数が多く! 進むのに苦戦していた。


「にしても、魔物が多すぎやしないか!?」


「魔物の姿が黒く強いのも、おそらく黒龍の影響だろう!

ミザリー、アルフレッド、油断せずに行こう!」


「分かってるけど……

てか、アイツ! 何なの全く戦わないじゃない!」


「仕方ない……ついて来るとは、言っていたが仲間になる。

戦闘に参加するとは言っていない!」


「にしても、普通は戦うでしょ!」


「何だ〜……もう根を上げたのか?

手伝ってやっても良いけど、だったら俺の指示に従えよ。」


「ふざけんな! 誰がお前の下になんかつくものかーー!!!」


「じゃ〜頑張れ〜……」


そして、俺とハクは勇者一向の戦闘をベルに見せると


「娘よ。あのエルフの女をよく見ておけ……

あやつの使っている魔法は、理解できるか?」


「はい。」


「良い子じゃ。

あのエルフが、どのタイミングで魔法を放つかーーどの方向に、放つか何かも見ておくといい……」


「分かりました!」


「リオン、お前の方は大丈夫か!?」


「何とか、なりそうだが……

魔力の方が心配だ!」


「それは、私に任せて下さい!」


「その時は、頼む。ベル!」


その後も勇者達の戦闘は、続き……

魔法使いのミザリーが魔物に、吹き飛ばされるとそれを助けに向かった。

ヘルメスが傷を負ってしまった!


「大丈夫か!? ヘルメス!!!」


「アルフレッド! 後ろだ! 危ない!!!」


勇者の仲間の戦士が、魔物に襲われそうになった時……


俺は、ブレスでーーその魔物を焼き払った。


ボォウ……!!!


「無事か!? アルフレッド……

今の魔法は、リオン君! 君が助けてくれたのかい? 

しかし、今の魔法は詠唱がなかった様な……

そんな事より。

仲間のピンチを助けてくれて、ありがとう。」


それから、戦闘が落ち着き。


「ベル、アイツらを回復してやってくれ!

俺は、周辺を見てくる。」


「分かりました。気をつけて……」


それから、俺は周辺の魔物の様子を見に行った。



「大丈夫ですか?

皆様……すぐに回復魔法をかけます!」


「ありがとうございます。

ベリアルちゃん」


「いえ、私こそーー回復魔法しか使えなくて、申し訳ございません。」


『そう言う事だったのか……。

彼らは、ベリアルに戦闘を学ばせる為に

僕らの戦闘を見せていたのか。

しかし、何故!? こんな少女に戦闘を……』


「一つ聞いても良いかな?

何故、君みたいな子が冒険者になろうとしているの?」


「私は、別に冒険者になるつもりはありません。

ただ、リオンの役に立ちたいだけです。」


「彼の役に……それは、君じゃないといけないのかい?」


「確かに、私でなくとも良いとは思いますが……

私は、リオのモノなので……リオの役に立たなくてはならないのです。」


「モノ……

言ってる意味が、わからないんだけど……

君は、彼に戦闘を強要されているのかい?」


「いえ、私の意思です。

私が、リオの役に立つ為にしたい事です。

回復終わりました!」


「……ありがとう。」


そして、俺は皆んなの元に戻ると


「今日は、ここで野営をするぞ。

魔物避けの結界は、俺が貼っておく……

ゆっくり体を休めてくれ。」


「分かった!

僕達は、食事の準備をする。

君達の分は……」


「大丈夫だ。

自分達の分は、どうにかする。

ベル……少し良いか!?」


「はい……」


「ちょっと、待ってくれ! リオン君、僕は君に話がある。」


「後にしてくれ!

行くぞ、ベル。」


そして、俺とベルは森の奥へと入って行った。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る