第14話 脱衣所での決意
「たた……」
城崎に肩を借りる形でアリーナ内にある脱衣所へとやってきたアイラは、ボロボロになった制服と下着を脱ぎ捨てた。
下着はなんともなかったが、制服に関しては新品に買い替えするしかないだろう。
――真っ白だったのに……。
「はぁ……」
アイラはため息をこぼすと、洗面台の鏡に映る自分の身体にできた新しい傷を見た。
「………………」
元々あった傷が治りかけていたところでの追い打ち……。
年頃の女の子として、これは別の意味で痛い。
「あの四人……覚えてなさいよ……」
打倒メイド四人衆を掲げ、個室のシャワールームに入ったアイラが蛇口のハンドルを回すと、シャワーノズルから温かいお湯が噴き出た。
――それにしても……
アイラは下を向いたまま腹をムニッと摘まむと、指からはみ出た部分をじーっと見つめた。
――…これの原因は、アレしかない……。
最近、トレーニング後にご褒美という名目でおやつを食べ過ぎたせいだ。
ウエストには人一倍気を遣っている身として、これは……。
――あとで引き締めストレッチ……やっとこ……
……。
…………。
………………。
その後。
シャワールームを出て髪と体をタオルで拭くと、用意してもらった服に着替えたのだけど……。
「キ、キツ……っ」
身体のラインがくっきり出るTシャツに苦戦すること三分。
アイラの口から「はあぁぁぁ……」と長いため息がこぼれた。
そんなアイラの今の格好は、上が白のTシャツ、下がグレーのショートパンツだ。
下着は、洗濯機で洗って乾燥機で乾かしたが、上下の服はルナに用意してもらった。
アイラが部屋のカードキーを渡す前に行ってしまったため、自分の部屋から服を持ってきてくれたのだけど。
――このサイズ……よく着られたわね……。
下に下げていた視線を前に戻すと、小さな声で呟く。
「……誰かに見られる前にさっさと戻ろ……」
ピーピーッ。
「ん……?」
洗面台に置いていた端末から通知音が鳴り、あるメッセージが届いた――
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