第2話 高校生活終了

真美の誕生日が終わり  翌日タカシと2人で就職活動が始まった 7月ごろから学校に求人票が貼られていた。因みに野球しかしてこなかった俺には器用な手先は無い けどやって見たかった仕事ならあるオリンピックやアーティストのイベント会場の設営だ めちゃくちゃ興味深い仕事だった いつか東京ドームでのイベントの設営に携わって見たかった。

真美は同県にある私立の大学に志望だった。真美のなりたい職業はウエディングプランナーだといつかなりたいと言っていた。

 人の幸せを手伝いたいと心底願う無垢な心の持ち主でピッタリと思う。お互いに感動モノには目がないみたいだ。早速、就活をするのだがイベント業者が一社も来ていなかった。担任に相談して見ると一社来ていたみたいだが先月にそこの会社で死亡事故が起きていてお断りしたとの事だった。確かに高所での作業で天候と向き合っていかなけば命なんていくつあっても足りないのはわかっていた。けど俺は夢持つと叶えるまで諦めきれない人間だ。俺の夢は沢山ある先程言った東京ドームでのBIGアーティストのイベント会場設営の責任者になる事と俺は大の巨人ファンであり東京ドームでの始球式に出てみたい そして真美と結婚して真美を俺の嫁にする事だ。誕生日のキスから急に距離が近くなった気がした。今度2人で日帰り旅行がしたいと真美が言い出した。俺もしたいけど、俺は家族に彼女ができた事を伝えてあるけど真美は伝えてるのかまだ聞き出せていない。  

 もう10月になってしまった。まだ就職先が決まっていない。自分で探す覚悟をしていたら担任から求人票を持って来てくれた。正しく自分が働きたかった会社で大手ゼネコンにも協力しているイベント設営会社の求人票だった。倍率は高いらしいが担任の俺に対する愛情を感じ絶対受かってやると思った。 履歴書を書きすぐに送って頂いた。1週間後に一次審査の学科試験 更に翌週に面接をすると言われた。 家に帰り両親に相談すると危険な仕事だからやめてくれと猛反対されたが聞かなかった。夢みる男に諦めなんてできない わかりきった事だ。

 1週間が過ぎ試験当日の朝を迎えた。ぐっすりと良く眠れた。学校のテストは学年で10位と俺には自信しかなかったけど出来る限り猛勉強した。朝の通勤ラッシュに揉まれながら会社に着いた。30分前に到着したけど、かなりの人が試験会場にいた。全員ライバルとしか見ていないし負ける気もしない。 会社のお偉いさんが居られた中での学科試験、これが常識問題ばかりで、確かな手応えを感じ試験会場を後にした。流石イベント会社だった、トイレから階段の横に掛けてある絵画まで綺麗すぎた。埃のない会社は毎日、細かい所まで気がつく人の集まりなんだと思って ただただ感動しかない。

 来週の面接は服装と髪型と言葉遣いまでしっかりしないと落とされると思うほどの緊張感を感じたし早く働きたいと思ってしまった。

 夕方になり真美から連絡が入った。「どうだった。落ちた?笑」とメールが来た。心配していたのが一瞬で伝わったし、何より会いたくなった ただ手を繋いでいたくなった。「今から会える?会いたい」と返信すると直ぐに「私も抱きしめてほしい」と返事が返ってきた。自転車で真美の家の近くのコンビニまで全力で漕いだ 部活引退してから全然体動かしてなかったし、息が上がっていた。真美がオレンジジュースを買って待ってくれて

一言「ありがとう会いにきてくれて」と言われ俺が会いたいと思っただけなのに今すぐ抱きしめてやりたいと思った。真美が自転車の荷台に座り生まれて初めての彼女との2人乗りをした、俺の夢がまた叶った。 来年は車で迎えに来るからなと心に誓った。近所の公園のベンチでオレンジジュースを飲みながら試験会場の綺麗さやお偉いさんの言葉遣いや服装の事とかいっぱい真美と話した。 すると真美が俺の心臓に手を当てキスをしてくれた。俺は力いっぱい抱きしめ、温かかった。それからずっと真美の肩に手をやり、幸せの時間を過ごし、真美の親御さんに付き合ってること知ってるのかと聞くと、お母さんは知ってると言い、俺の丸坊主姿の写メをお母さんに見せたと言っていた。急に恥ずかしくなった。就活終わったら真美が受検勉強でなかなか会えなくなるのがわかっているから「今度、俺の家族を紹介するよ、家に遊びに来て」と言ったら笑顔で「うん、行って見たかったし、家族の方と会うの恥ずかしいけど会って見たい」と言いもう一度キスしてその日は帰った。

 1週間が経ち面接会場での質問が沢山あった。 野球経験者だとわかってくれてから趣味や志望の動機を応えていた。これだけは言える志望の動機は自己分析力のある人間が有利だという事もわかった。今まで野球やっててホント良かったと思えた瞬間だった。また確かな手応えを感じ会場を後にした。しかしいつ見ても綺麗な会社だなっと感銘を受けたしやっぱり早く働きたいとつくづく思う。

 更に1週間が経ち採用通知が送られて来た。来年から社会人が確定になれた。タカシも車関係の工場勤務が確定した。2人で抱きあった。タカシとは小学校からの腐れ縁だ。お互い実家からの勤務だし、またいつでも会えるし遠く離れ離れにならずに済んだ、本当、最高の親友だよ。

 やっと就職が決まった週の土曜日、とうとう真美が家にやってくる。部屋も綺麗にしたしTSUTAYAでDVDも借りて来た。真美を迎えに駅まで迎えに行った。すると改札口から薄らと化粧している真美が出てきたマジで美人だなとつくづく思った。自転車で2人乗りしながら家に着いた。家族は一目会って見たいと言わんばかりに玄関で出向いていた。 真美を見て美人だなって言って真美が桜色の顔になった。懐かしい気持ちだ。家に上がり 母さんがチーズケーキと飲み物を俺の部屋まで持ってきて幸せそうに真美と会話していた。自分がお腹痛めて産んだ馬鹿息子の事が好きって思ってくれる人にとても嬉しそうだった。 真美も緊張していたけど段々とほぐれてくれて普段と変わらない感じまでなっていた。中学の時の卒アル見たりDVD観て感動した。流石にキスはできなかった。本当は3回くらいしたかったけど無理だった。帰りは自転車で真美の近所のコンビニまで送っていった。こんな綺麗な真美と離れたくなかったし、ずっと一緒にいたかったけど無情にも何もしてやれず家に帰っていった。

 直ぐに冬休みが入り俺はまたバイトをした。今度は期間限定じゃ無くて高校卒業までバイトをするつもりでいた。何故なら冬休みが終わると車の免許が取りに行けるからだ。2月になれば殆ど学校にも行かなくて済むし、それまでに教習所代は稼がないといけないからだ。そして真美と日帰り旅行の約束があるからだ。場所は京都か大阪が良いと2人で話し合った。朝早くの新幹線で行く予定だ とてもじゃないけど日帰りは厳しそう。

 冬休み俺はタカシと2人でガソリンスタンドでバイトをした。出来る限り朝から晩までていただけた。タカシと2人で初詣に行っておみくじを引いたら吉だった、タカシは大吉だった、するとタカシから相談された、知らない間にタカシに好きな人ができていた。真美が家に来ていた時タカシも中学の時の同級生の女子から紹介されたみたいだ。得意のカラオケに行き 会話が弾んで今度2人で遊ぶ約束までしたみたいだ。その時にはもう惚れていた様だ。冬休みが終わった。めっちゃ早かったお年玉も高校最後だからと爺ちゃん、婆ちゃや親戚の人から1人1万づつくれた。親からは無かった。初孫だったしとても可愛いがってくれたから俺は家族皆んな大好きだ。

 とうとう3学期が始まった1年なんてあっという間だった部活してないとホントに早い、真美は勉強で家庭教師までついたと言っている結構ギリギリの所に立たされてる 俺は応援しかしてやらない、彼氏としてとても恥ずかしい。けど通学はいつも隣にいてくれている、それだけで幸せだよ。真美は勉強、俺はタカシとバイト漬けの毎日になった。そして2月になり教習所に通う日が訪れた。学科と運転の毎日だった。とても緊張したしエンストなんて数えきれない程したけどなんとか仮免まで受かった。 夕方になるとバイトをした結局教習所代は親から借りた。高3にして借金ができた。けど借金が出来ると払わないといけない責任感が湧いてくるしバイトもほぼ毎日入ったし、スタッフから必要とされてるのが何よりも嬉しかった。教習所とバイトの毎日を過ごす忙しい毎日だったけどとても充実できバイト先のスタッフの方からもいっぱいアドバイスしていただいたおかげで無事一発で普通免許取得した。タカシは3回落ちたけど無事取得できた。

 3月、いよいよ真美の大学受験当日がやってきた真美にはタカシと2人で初詣した時に祈願成就のお守りを渡していたし、受かると信じていた。真美が勉強してきた所が試験にいっぱい出ますようにと必死に祈った。 そして真美は無事に受かり、俺もタカシも真美もタカシの好きな子も、実家からの通勤通学が確定した。

 

   そして俺たちは高校を卒業した。



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