角度
石村まい
角度
渡り漁夫ラヂオのやうな声で来る
とろろ昆布の襞おそろしき余寒かな
絵葉書をつるんと落とし冴えかへる
散髪のけふは菫に近き椅子
パレットにみづの自由よ山笑ふ
光とは託さるるもの
ガラスペンに泡の迷へる日永かな
くるぶしの魚影に似たり草朧
風船を手放す角度にてもらふ
しゃぼん玉の影たづさへて終はりけり
春光やパンの二倍のかみぶくろ
甘皮の地層見てゐてのどかなり
ざらめまた指に見つけて雪の果
春眠の
たましひへその尾をもどす花筏
乳液の乾くはやさや鳥曇
ねぢあやめあなたの喉に仏など
ティーカップに頬のありけり花疲
行く春のシロップに果皮しづめけり
角度 石村まい @mainbun
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。角度の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます