第12話 事実確認と初めてのチート鑑定

昼食をつつがなく終えた私は今ルルと二人で自室にいた。


良し、懸念は早めにつぶしておこう。

私はルルに声をかける。


「ねえルル、ごめんなさいね、どうも頭を強く打ったせいで今のわたくしはおかしいらしいのよ。あなたに辛い思いをさせていたなら謝るわ」


そして頭を下げる。


「っ!?そ、そんな、頭をお上げください。私別に辛い思いなんて……」


私はオロオロしているルルを抱きしめる。

ルルはビクッと肩を震わせた。

そしてうるんだ瞳を私に向ける。


くうっ、可愛いな?!

恥ずかしいが……これも確認の為だ。

決して欲望ではない。

ないったらない!!


私はそっとルルの可愛いお尻に手を這わす。

そして欲情の色を瞳に乗せ、ルルを見つめた。


「あう、ろ、ロナリア……お姉さま♡」

「ああ、ついに、わたしを……♡」


ビンゴだ。

うん。

この子私の事大好きだ。

百合の意味で。


「可愛いルル?わたくし貴女にお願いがあるのだけれど」


指を動かしながらルルの反応を覗う。

良かった私。

興奮していないわ。


「あん♡…ひうっ……お願い、ですか?ひゃん♡」

「ええ、責めるわけではないの。だから安心してほしいわ」


自分の胸をルルの可愛らしい胸に押し付け刺激を与える。

そして彼女の可愛い耳を優しく食(は)んだ。


「うあ、くうん♡……は、い……」


確かに趣味はないよ?

興奮もしないし。


でもさ……

くはー、この子やばい。

可愛すぎか!


私は彼女を攻めながら、ベッドへと誘導していく。

もう少し自制心をなくした方が早く決着がつきそうだ。


思わず生唾を飲み込む。

そしてベッドに押し倒し上からのしかかった。


「あう、ああ、優しくしてください♡」

「ああ、ほんと、可愛いわ……お父様にも可愛がってもらっているのかしら」

「っ!?」


ルルの顔が今度は真っ青に変化していく。

キレイな鳶色の瞳から涙が零れ落ちる。


「も、申し訳ありません。その……ああ、わたしは、なんてことを……」


私はハンカチで優しく彼女の涙をぬぐい、聖母の様な表情を浮かべささやくようにつぶやく。


「あら、泣かないで。別に責めているわけじゃないのよ…あなたが本気なら、反対しないわ。でも……もし嫌だったのなら、わたくしが全力で守りますわ」


彼女は無理やりジェラルドに乙女を散らされていた。

信頼している叔父に求められ、抵抗できなかったそうだ。

そして回数を重ねるうちに、快感に流された。


「うう、ごめんなさい、グスッ、いやですって……ヒック…言ったのに…うああ……ひん……無理やり……うあああ…あああああ」


私はしばらくルルを抱きしめ頭を撫でていた。


父は立派な領主だ。

有能だし、1年くらい前までは母を愛していた。

何かがあったはずだ。


「いよいよ出番かな。……家族に使いたくなかったけどね」


私は覚悟を決めて、スキルを家族に向けることを決意したのだ。


※※※※※


私は深呼吸を繰り返し、父がいるであろう執務室のドアをノックする。

中から父の声がした。


「入れ」

「失礼します」


私がドアを開け中に入ると、父は大量の書類の前で眼鏡をかけ必死にペンを動かしていた。

ちらりと視線を私に向けるとペンを置いてにっこりとほほ笑む。


「やあロナリア。珍しいな。何か用事かな?」


好ましい父がそこにはいた。

私は違和感を覚える。

ルルが近くにいない父に怪しい雰囲気が感じられない。


「お忙しいところお邪魔してしまい申し訳ありません。急にお父さまの顔が見たくなってしまって」


近づきながら顔を赤らめ俯く。

もちろん演技だが?


「はははっ、嬉しい事を言う。だがすまないな。見ての通り仕事が押しているんだよ。夕食の時でいいかな?」


私は顔を上げ、まっすぐ父の目を射抜いた。


『スキル鑑定!!』


目の前にディスプレイが表示される。


※※※※※


【名前】ジェラルド・ウッドストック

【種族】人間

【性別】男性

【年齢】40歳

【職業】領主

【保持スキル】

宣誓・不屈の精神・格闘4/10

領地経営6/10・【精神耐性1/10 new!】

【称号】

ウッドストック領主

【状態】

若年女性催淫(弱)―ミリー付与※

妻への愛(阻害)―ミリー付与※

淫乱(弱)―ミリー付与※


※鑑定拡張スキルで解呪可能


※※※※※


「うっ、なんだ?頭が……」

「……ふう……『解呪』」


私は聞こえないように小さくつぶやく。

お父さまの頭から小さい黒い靄が浄化されるように消えていった。

これでお父さまの状態異常は無事解呪されたはずだ。


「っ!?……おお、なんだ?すっきりした気がする。……ロナリア?何かしたのかい?」


私はにっこりと微笑みお父様の顔を見る。


「いいえ、お父さま。お疲れなのですわ。あ、そう言えばお母さまが何か悩んでいらしたわ。心配です」


「っ!?ルイラが?……あースマンなロナリア。パパは用事ができたんだ。ちょっとルイラの様子を見てくるとしよう」


「ええ、是非に。ふふっ、お母さまお喜びになりますわ。では失礼いたします」

「ああ、すまないね………ありがとう」


私は執務室を後にし自室へと向かう。


おそらく父は異常に気付いていたのだろう。

たぶん『不屈の精神』でレジストしていたんだ。


なんか『精神耐性』生えてるし。


でも………


「なんなの?あの女。意味わからないんだけど。……確認が必要ね」


私は足早の自室へと戻ったのだ。


……新しい妹とか弟……まさかできないわよね?


父の様子を振り返り余計な心配をするロナリアだった。

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