第12話 滅菌

「ゲームって何をするんだ?」

「うーん。...バ〇オハザードかなぁ?」

「お前に聞いた俺が馬鹿だった」

「あ!酷いね!」

「いや。普通恋人同士がいきなりゲームでバイオするか?普通。もっとそれ以外が有るだろ」


「でも私はバイオハ〇ードが真っ先に浮かんだ」と胸を張る星空。

俺はその姿を見ながら「まあお前がしたいならそれでも良いけど」と苦笑する。

するとバイオのゲームパッケージを見てから星空は「まあ確かに違うかな」と言いながら「じゃあ優くんは何がしたい?」と言ってくる。

俺は「マリ○かなぁ」と言いながらゲームパッケージを持つ。


「そっか。じゃあ優くんのしたいので」

「その後にお前がしたいものを遊ぶか」

「だねぇ」


そして俺達はクスクスと笑い合う。

それからゲームを起動の為の準備を始める。

しかしまぁホラゲーをするとはな。

星空ってそういう趣味があるんだな。


「お前、ホラゲー好きなの?」

「マイナーなのはしない。だけどサ○レンとかする」

「マイナーじゃ無いけど結構分かりずらい...」

「私、サイ○ン好きだよ」

「いやでも待て。○イレンって結構怖いよな?」


「そうだねぇ」と言いながらニコニコする星空。

俺はその姿を見ながら「...」となったが。

まあ彼女が好きというなら何も言うまいけど。

そう思いながら俺はテレビのリモコンを持った。


「ねえ。優くん」

「...何だ?今度は」

「負けたら罰ゲームって事にしない?」

「どういう罰ゲームだ?」

「罰ゲームはまあ...その。...恥ずかしい事」

「エッチなのとかか?」

「それは駄目。...それ以外の恥ずかしい事。例えば...私にキスするとか」


コイツ本当にキスするのが好きだな!

そう思いながら俺は「お前な!赤くなるからな!」と慌てる。

すると星空は「...うへへ」と言いながら悶える。

俺はその姿を見ながら頬を掻いた。


「...なあ。星空」

「ん?何?」

「エッチだ」

「...はぁ!?」

「いや。お前の行動エロ過ぎ」

「何がエロいの!?私が変態みたいじゃない!」

「変態だろ!」


そんな感じでぎゃいぎゃい言い合う俺達。

それから俺はエロ星空を見てから「じゃあ罰ゲームはキスだな?」と聞いてみる。

すると星空は「う、うん」と言い淀んだ。

俺はその姿を見ながら頭を掻く。


「...全くこのエロ助が」

「わ、悪い!?キスが心地良いの!私にとっては」

「いや。キスが心地良いのは分かる。だけどお前の言っている事はエロい」

「...」


星空は口をへの字にしながら「分かった。もう何も言わない」と文句を垂れる。

俺はその姿を見ながら「いや。そこまで言ってない。...悪かった。だけどお前本当にキスが好きなんだな」と言ってみる。

すると星空は「心地良いから」と頬を朱に染める。


「...ふわふわするっていうか」

「ふわふわ?」

「うん。キスするとね。...頭がふわふわ空を舞う感じがするの。それから...愛し合っている表現になるって思っている」

「...そ、そうか」


そして俺はウォーのコントローラ―を持つ。

それから俺はスイッチを入れて電源を点ける。

そうしてから俺達はゲームをし始めた。

その結果。

俺が惨敗した。



「...えへへ。優くん。じゃあ...」

「ま、待て。でもやっぱり心の準備が要る」

「今更何を言っているの?アハハ。...じゃあ」


そして俺達は星空が主導権を握って自室でキスを交わす。

それから俺は星空を見る。

星空は「えへへ」と良いながら俺の頬に手を添えてくる。

そうしてからもう一回キスをした。


「...これで良いか。罰ゲームは」

「そうだね。うん。これで良いと思う」

「...全く」

「優くん」

「...何だ。今度は」

「愛してる」

「...こっぱずかしいからな。それ」

「私はそうは思わない。恥ずかしくない」


そして俺達は寄り添い合う。

そうしていると時間が経った。

それから「帰らないとね」と星空は立ち上がる。

俺はその姿を見ながら「恥ずかしいけど帰らないとな」と肩を竦める。


「...寂しいな」

「また明日会えるだろお前。四六時中会っている感覚だぞ」

「優くんは嫌なの?」

「いや。嫌とかじゃないけどさ」

「アハハ。素直で宜しい」


そして俺達は玄関まで行ってから星空を見送る。

俺はその姿を名残惜しく見ながらそのまま自室に戻る。

そこには彼女の残り香があった。

困ったもんだなオイ。


「...ったく。星空の変態め」


そんな事を呟きながら俺は片づけをする。

それから俺は置いてかれたゲームを棚に戻したりした。

結局、星空は「家ではしないかもだから」とゲーム機を残していった。

ゲームも残していった。

俺はその事に苦笑しながら「ったく」と呟く。


「...だけどキスが心地良い...か。確かにその通りかもな」


そういう感じで納得しながら俺は後片付けをする。

するとガチャッとドアが開く音がした。

それから「ただいまー」と声が。

俺は階段を降りると珍しい人物を見た様な目になる。


「...彩花じゃないか」

「ハロハロ。元気?お兄ちゃん」


立宮彩花。

俺の妹に...当たるが。

長髪が特徴的な黒い髪。

そしてえくぼが素敵な女子。

丁度、可愛い子供っぽい髪留め...を着けている。


別の高校に入学して県外に出ている筈だった。

だけど何故この場に?


「学校が教職員の研修のお陰で休みになった。だから帰省した」

「帰省したってアホかお前は。1日だけだろ!」

「3時間あれば戻れる」

「馬鹿すぎる...」


俺はそう思いながら額に手を添える。

それから俺は彩花に「分かった。...だけど何でいきなり戻って来たんだ?」と聞いてみる。

すると妹の目からハイライトが消えた。

そして「決まっているよ。お兄ちゃん。...復讐しないと。...有山に」と全てを知った様に話す。


「...お前...どうしたんだ」

「...私は許されないことをした有山弓を許さない」

「...いや待て。許さないって...」

「私は全てを知ったから戻って来たのもあるけどね」


そして彩花は「絶対に許されない禁忌を犯した。その分は天罰として受けてもらう。ネットにでも情報を流すよ」と言い始めた。

俺はその姿を見ながら「...」となる。

それから考え込みながら冷や汗を出す。

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