第125話 現状
7層に足を踏み入れた俺は、新しい階層に来たことで慎重になったのか、ただの気まぐれかなのかは自分のことながらよくわからなかったが、現時点でのステータスを確認してみることにした。
名前
アマノ サトル
性別
男
年齢
17
種族
人族
職業
重戦士 Lv10
魔道士 Lv10
僧侶 Lv56
盗賊 Lv56
武器商人 Lv13
防具商人 Lv13
ボーナススキル
MP回復倍増(20倍)
PT取得経験値倍増(20倍)
マルチジョブ(6th)
PT設定変更
鑑定
詠唱破棄
システムサポート
ちなみに今はつけていないが、毎晩のようにつけている色情魔のレベルは今13だ。前は一晩で10近く上げてしまったが、あれ以降は日中にダンジョンに潜り、翌日もダンジョンへ行く予定を立てていたのでさすがに自重した結果だ。
俺だって獣じゃない、理性はあるんだ。一応ね。
名前
オリヴィエ(奴隷)
性別
女
年齢
17
種族
狐人族
職業
剣豪 Lv8
所有者
アマノ サトル
そういえばエルフって人族よりも長命種とか言っていたけど、狐人族であるオリヴィエはどうなんだろ?
「狐人族は人族と寿命は変わりありませんよ。世情的理由で少し前の時代は平均寿命が著しく低かったですが」
「ルクリスタのことですよね・・・。あの国はそれで帝国から断交されたというのに、今だ意識を変えることなくいるということらしいです・・・。どうしようもない人達です」
うーん。わからん。詳しく聞きたい気持ちもなくはないけど、ここはダンジョンだし、今はいいや。
名前
ミーナ(奴隷)
性別
女
年齢
16
種族
人族
職業
槍術士 Lv8
所有者
アマノ サトル
オリヴィエとミーナの奴隷身分。別に今後も一緒に着いて来てくれるなら解放してあげてもいいと思って前にベッドの中でその話をしたら、何故か猛反対されたから未だにそのままなんだよね。なんでなんだろう。
名前
アンジェリーナ・リル・ライセル
性別
女
年齢
48
種族
エルフ族
職業
狙撃手 Lv8
アンジュの名前の真ん中の言葉は部族名を、後ろについてるのは家名だが、別に貴族とか里長の家だからいうわけではなく、エルフ族は家名をつける文化を持った種族らしい。エルフでたまにあるくっそ長い名前の世界じゃなくてよかったと思う。覚えられんしな。
弓使いの上位が狙撃手というのはなんだかちょっと違和感を覚えるが、別に銃しか使えなくなるとかいうこともなかったから細かいことは気にしない方向へシフトした。
名前
ウィドー
性別
女
年齢
29
種族
人族
職業
僧侶 Lv11
ところどころハネているくせっ毛ロングで巨乳のウィドーさんは三角帽子を被せたらまさに魔女って感じで魔法使いがよく似合うと思ったが、魔法使いの取得条件をすぐに整えるのは厳しいわりに、僧侶は簡単に手に入りそう・・・ということで晴れて僧侶になったウィドーさん。
この三日間のダンジョン探索でレベルも11まであがり、俺達のパーティー補正もがっちり入るようになって、今やメイスをぶん回す撲殺僧侶となっている。
俺が最初に作ったこん棒はとりあえずのもので、彼女が僧侶を得て次の日にはファストの武器屋に行って鉄のメイスを購入して今はそれを使ってもらっている。
俺達の中の武器では攻撃しているその見た目が一番恐ろしく、狂暴性はあるのだが、ダメージ的にはやはり俺やオリヴィエ達には劣るようで、俺達が一撃で倒せる相手でもウィドーさんではまだ域には達していない。そもそも僧侶自体が近接攻撃に特化した職業ではないだろうしな。それでも十分強いんだけど。
同じタイミングで変更したオリヴィエ達よりもレベルが高くなっているということはやはり上位の職業は通常のものよりもレベルが上がりにくいというのはもう確定と言っていいだろう。
「ご主人様、この階層の魔物の気配なんですが、数は多いものの、恐らくですが魔物は6層と同じだと思います」
「あー、3層から4層の時と同じで、種類は同じで一度に遭遇する数だけが上がる感じかな?」
「一度実際に遭遇してみて確認してみてもいいかと思いますが、私の感覚が正しければ間違いないと思います」
オリヴィエソナーに狂いなし。ということで、この階層を探索するのは少しでいいかな。
「近い魔物を無視することは無いが、8層への入口を見つけたらそのまま進んでしまってもいいかもしれないな」
階層が進むことで数だけじゃなく魔物自体のレベルもあがるので、同種であっても一応強くはなるのだが、今の俺達からするとその上がり幅というのは無視できる範囲のものなので、この階層の探索を長く続ける必要もないだろう。
「了解です」
「少しでも痛みがあるようならすぐに言っておくれ」
メイスを両手で持ってそういうウィドーさんはやはり回復魔法を使いたいように感じる。まるで新しいおもちゃをはやく使ってみたくうずうずしている子供のようで可愛いな。なんとなく気持ちはわからんでもない。俺も最初に魔法を使った時は同じような感じだったしな。
「これまでの我々の力を鑑みると、わざわざ回復魔法を使うような傷を負う確率は少ないと思うが」
「そうですね。8層程度の魔物ではご主人様の相手としては不足でしょう」
いやいや、まだ8層は未知の階層なんだから、そんなことを言うのは時期尚早なんじゃない?俺も大丈夫だとは思っているけどさ。ほら、ウィドーさんだって心配そうに・・・いや、あれはまだあまり回復魔法を使えそうになくて残念がっているだけか。
「新しい魔物では以前もあったようにふとしたことで不意を突かれ、思わぬ攻撃を受けることもあると思いますので、きっとウィドーさんの魔法は役に立ちますよ」
ミーナが言っているのは前に魔物が使ってきたスキルによる攻撃のことを言っているのだろう。最近は食料確保とレベル上げのこともあって見知った魔物ばかりと戦っていたから忘れがちだが、新しい魔物は俺達の知らないスキルや攻撃をしてくる。当たり前のことだが、十分な力を持ったこのタイミングでそれを確認するというのはかなり重要なことの様に思える。
「確かにそうですね。気を引き締めていきましょう。攻撃を受けた際はウィドーさん、お願いします」
「あ、あいよっ!」
イケイケポジティブな二人と違って頭脳派のミーナがちゃんと指摘してくれたおかげで新規の魔物に対して適度な警戒心を持つことの大切さを再認識したオリヴィエは万が一の事態も起こらないようにとウィドーさんの回復魔法を頼り、それによって声をかけられたウィドーさんは表情も明るくなって声もだいぶ弾んでいる。
これは・・・俺の思い込みかもしれないが、おそらくオリヴィエはウィドーさんのこと・・・彼女が回復魔法の使用を望んでいることに会話途中で気が付き、彼女なりに気を使って声をかけたのかもしれない。
だって、回復魔法は俺も使えるし、むしろ詠唱もなく即座に使える俺の方が即応性も高い。だから不測の事態に備えるならば声をかけるのは俺の方になるはずで、まだ経験の浅い彼女にそれをお願いするのは少々おかしいと思ったからだ。
だが俺は嬉しい。
俺はここにいる全員を愛している自信があるし、愛されている自負もある。だが、こういう状況で一番怖いのは俺が愛している女性同士がいがみ合うような事態になることなのだ。
そうなったら必ず今の関係のどこかに亀裂が走り、それはいずれ大きな歪みとなって最悪の場合はパーティーの解散ということにもなりえる。・・・かもしれん。
今のところは全くそんな兆候も前兆すらないが、これからも絶対ないとはいえないしな。
こういうのって人数が増えれば増えるほどそういった懸念点が増えていくのだろうが、この短期間のハイペースで四人もの女性に手を出している俺が、急に今後自重をはじめて今いる四人以外の女性に手を出さない・・・なんて自信は全くない。
日本での常識に当てはめれば俺はただの節操ない浮気者なのだろうが・・・いや、それはこの世界でも同じ事か・・・。
ただ、この世界と日本とで違うことと言えば、日本では一夫一婦制で重婚は禁止だし、一人の女性を愛した時点で他の女性に手を出すことは世間的にも倫理的にも当然のように非難される対象の出来事になっている。
しかし、この異世界では男性が複数の女性に手を出すことは特に忌避されるようなことではない。
ただし、自分の甲斐性を理解せずに節操なく女性に手を出すような行為は手を出した女性全員からフルボッコにされても文句は言えないとも思うし、たぶん実際そうなんだと思う。今度それとなく聞いてみよう。
現状のステータス確認も済まして女性陣の関係値の良好さも再認識出来たし、いよいよ8層の探索を進めていこう。
今回はどんな食z・・・魔物が待っているか楽しみだぜ!
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