意外なつながり
−−盆休み
「
「へいへい」
川で冷やしていたスイカを取りに来てみると、子供達に混ざって遊んでいる女子に目が行った。胸が大きい。今持っているスイカとどっちが大きい?いや、スイカの方が大きいのは分かっている。が、例えるならスイカが二個ある様なものじゃないか。あれは生徒会長に匹敵するんじゃないか?と、眺めていると向こうもこちらに気付いたみたいで、川から上がって俺の方に来た。近付いて来るにつれて、彼女が何者だったのか理解した。本人じゃないか!
「
それはこっちのセリフだ!なんで生徒会長がここにいるんだ?!
「親戚のお盆で来たのよ。
「俺も同じですよ。親戚の盆で」
「へぇ、案外近くにいるのかもね」
川で出会った後、親戚の家に帰ってみると二人共同じ家に入った。
「「あれ?」」
しばらく二人は何が起きたのか理解するのに時間がかかった。
「まぁ、珍しい組み合わせね」
「いえ、彼は同じ高校の・・・」
「
「
「彼は私の生徒会で、書紀を努めています」
「まぁ、偶然同じ高校だったなんて、世間は狭いわね」
全くだ。
夜は子供達を連れて盆踊り会場に行く事になった。東山生徒会長が浴衣に着替えて戻ってきたのだが、その姿を見た瞬間、俺は言葉を失った。浴衣の柄と色が彼女に完璧に似合っていて、まるで別人の様に見えた。
「似合っている?」
と彼女は少し照れくさそうにたずねた。
「すごく似合っていますよ」
と素直に答えた。東山生徒会長は唇に親指を当てながら上目遣いでこちらを見つめた。
「本音は?」
お世辞だと思われたのだろうか。しかしそれ以上の言葉が思い付かない。
「ま、ダサいって言わなかっただけマシか」
東山生徒会長は両手で子供達と手をつないで外に出た。
−−夜、盆踊り会場
盆踊りの会場に入ると、周りに出店が広がり、ソースの匂いや甘い匂いに心を奪われた。
「皆の分の軍資金はおばさんに貰ってるからね。何でも好きな物食べていいわよ〜」
子供達は喜んで各々気になった店に向かっていった。俺達は側のベンチに座った。
「会長・・・えっとお姉ちゃんの方がいいですか?」
俺の言葉に東山生徒会長はムスッとした表情を見せた。
「じゃあ会長で・・・」
これもダメなのだろうか。東山生徒会長は指で髪の毛をクルクル回した。
「今だけならお姉ちゃんでもいいわよ。だけど学校で呼ぶのはNGだからね」
「気を付けます」
「もし口を滑らせたら
一体どんな権力を持ってるんだこの人は?
この人は俺のハーレムライフに加えていい人物なのだろうか。悩む。
俺と生徒会長が親戚だったという話は夏休みの間にどこからともなく広まり、新学期までの間に学校全域に知れ渡る事となった。
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