第6話約束
とりあえず、了承を得た。後日、5人で焼き肉に行った。皆田の奢りで
しばらくして皆田と頼子に社内メールが届いた。内容は『営業課皆田頼仁と経理課堀田頼子は16時に人事部長室まできなさい。』と書かれていた。ヤバいと思い佐野に相談した。
---完全バレてるな。多分、同期会の中に密告者がいる。水野か塚原が怪しい。あの3日後に先輩から皆田と堀田さん同棲しているって知ってる?って聞かれたから時間の問題だなって悟った。多分、社長も知ってると思う。
---ぇえっ!!社長まで!
---多分な。相田さんと輪島さんって覚えてる?
---ああ、2人とも謎に退職された。
---あの2人本当は付き合ってるって噂だったんだ。それが社長にバレて表面上は退職だけど、社則違反により…
---クビ
小声で話し、周りに聞こえないようにしたが、皆田の顔が青ざめていくのが分かった。
そして、16時を迎えた。頼子と待ち合わせて2人で、人事部長室を訪ねた。
---やぁ、よっちゃん社内で会うのは初めてだね。
---よっちゃんこんにちは。ってか、表情なくなってない?
コンコンと扉をノックした。中からどうぞと声がした。手に汗握り、ドアノブに手をかけガチャと音を立て失礼しますと言い中に入った。初めて入る部屋で意外と狭かった。物があるからだろうか?部長の前に立った。威圧感を感じた。
---この度は申し訳ありませんでした!
皆田は頭を下げるつもりでいたが、部長を前に自然と下げていた。それを見た頼子も頭を慌てて下げた。
「「私だけをクビにして下さい!」」
ハモった打ち合わせしてないのに
---どわはははっ!
部長が大笑いした。
---大丈夫クビにしたりせんよ。部屋に来たって事はとりあえずお咎めありってことにしといてくれないかな?
---え、でも、相田さん達は?
---彼らは、職務中会社の倉庫で!乳繰り合っていたのだ!仕事が捗るどころかサボった。その点君たちは、社内で会うどころかすれ違うことすらない。しかも、堀田くんは経理課のエース。皆田くんも営業課の売上成績3位。クビにしたら私の首が飛ぶよ。
と、冗談混じりで言った。皆田はさっさと帰りたかったが、頼子が聞いた。
---何ですれ違ってないって分かったんですか?
---それは社内至る所にある防犯カメラの映像を見たからだ。他に質問はあるかな?
---ありません!
皆田が自衛官のように言った。防犯カメラの映像を見たってどんだけ暇なんだよとも思った。
戻ると佐野がグイグイ聞いてきた。
---社内で会ってたわけじゃないから口頭注意。相田さんは社内でいちゃついてたらしい仕事サボって
---な〜んだ。お咎めなしか。期待して損した。
何の期待だ。と皆田は思ったが、話が終わって自分の席に戻ろうとする佐野を止める気はなかった。
その後、グループLINEにて塚原が「ごめ〜ん、喋ったの私だ」と。皆田は残念がった。丸く収まったからいいものの焼き肉まで奢ったのにばらされた。もう二度とあの場で秘密は話さないと誓った。
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