第7話クリスマス
冬
冷えてきた。もうすぐクリスマスだ。皆田は今年のクリスマスにプロポーズしようと決めていた。実は先日、頼子とのデートで指のサイズを測って貰い、頼子に隠れて指輪を注文。何とか、クリスマス前にできた。今回は佐野に頼らず自分の力でと思った。理由は2つ1つはバラされるから付き合ってるのもバラされたし、皆田は誰一人信用してなかった。もうひとつは自分1人で頼子に大切な思い出をはプレゼントしたかったから。頼子に今年のクリスマスどこへ行きたいか聞いてみた。
---初めて2人きりで会ったレストランで食事したい!あと、イルミネーションが見たい!
頼子にしては珍しく乙女な願いだった。それを聞いた皆田。俄然気合いが入った。
当日、あの時のレストランへランチしに行った。
---わ、懐かしい。変わってなくって良かった〜。
皆田は万全だった。何故なら昨日、前回英語で注文した時のメモがスマホに残っていたから。注文をし終え皆田が提案した。
---昼だけどワインでも飲もうか。
----ぇ、でもここのワインって英語じゃ
---大丈夫だって
頼子の心配をよそに皆田はメニューをお願いした。
メニューを見るとクリスマス限定メニューに変わっており、読めず代わりに頼子も読んでもらった。…ダサい。
昼食を食べ終え、頼子が行きたいと言ってたイルミネーションへ向かった。まだ明るいので、イルミネーションの周辺をブラブラしていた。頼子が立ち止まった。立ち止まった先には大きなクリスマスツリーがあった。クリスマスツリーは大きく三階フロアに届きそうだった。装飾品も輝いてて特にてっぺんの星は一段と輝いていた。
それを見て皆田はソワソワした。そして、カバンをあさった。
---ちょっと、トイレ行ってくる。
皆田はもようした訳じゃ無いが、個室に入った。そして、カバンを探った。無い無い。今日プロポーズしようとしていた指輪がない。盗まれた?皆田は記憶を辿った。昨日、準備してて指輪はバレたらやばいからギリギリまで隠しておこう。そう決めて、隠しっぱなしのまま来てしまった。まあ、言葉だけでもなんとかなるだろうと甘く考えてた。
---お待たせ〜じゃあ、行こうか。
---え?う、うん
日が沈み辺りも暗くなった頃、イルミネーションに向かった。
---何コレすごっ!
皆田は思わず声を出した。イルミネーションもすごいが何より人がすごかった。イルミネーションの有名なスポット。ましてや、クリスマス。カップルだらけだった。こんな所でプロポーズできない。そこで皆田は考えた。また今度でもいっか。皆田は考える事を諦めた。
---じゃあ、家に帰ろうか。明日も会社だし。
その一言でクリスマスが終わった。
家に帰ると、皆田は速攻指輪を確認した。
ご飯どうするー?軽めにとるー?
キッチンから声が聞こえる。皆田はおもむろに指輪を取り、頼子の前でひざまづいた。
---よっちゃん。いや、頼子さん僕と結婚してください。必ず幸せにします。失敗ばかりだけど結婚生活は成功させます。
言った後もまだ胸がドキドキしていた。指輪を持つ手が震えていた。背中も冬なのに汗かいてるのがわかった。頼子はすぐに
---はい
と返事をした。
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