第4話物件探し


特に蒸し暑い日だった。全国各地で最高気温を更新し、一年で1番暑い日になった。そんな日に事件は起こった。 


---え?同棲の物件はどこが良いか?知らねーよ。オレじゃなくて、不動産屋にきけよ!って同棲するの?

---うん。俺は離れるけど、彼女が近くなるんだ。

---彼女って今会社までどれくらい?

---んー、1時間ちょっとかなぁ

---なんか、堀田さんみたいだな。


佐野はただ言っただけだったが、皆田は異常に焦った。そうお互いに付き合ってる事は隠してるのだ。社則に社内恋愛禁止と書いてあるのだ。


---何慌ててんの。同棲はやっぱりお互いに譲れないところを決めとくべきだな。家賃が安いとか駅から近いとか譲れない何かを。

---優先席座って、杖ついたおばあちゃん見かけたけど目の前は若者的な?

---そうだね。同棲はした後の家事決めが大変だから。


佐野はスルーした。皆田は譲れない何かを考えた。その日の夜LINEで皆田から

---頼子さん、なんかある?

---急に言われても…あ!バストイレ別がいいかな。

---なるほど!俺は収納が多いのが嬉しい今、あらゆる所が物であふれかえってるから。


その日の深夜まで頼子は物件をインターネットで検索してた。一度見ると、ハマってしまい、調べてくうちにいつも寝ている時間を過ぎ数時間たっていた。何軒か見つけたが、あとは実際見てみないとわからなかった。


次の日2人は内見にでかけた。昨日と同じように暑い日だった。3件とも見てどれも良かったが、決め手にかけた。3件内覧を済ませた後、頼子が

 。

---気持ち悪い。少し休みたいかも。


そんな頼子さんは初めてと言わんばかりに皆田はすぐ担当者に説明し、近くのコンビニで冷たい水と団扇を買った。頼子は前日遅くまで調べ事をしていた。何かいい物件はないか調べていた。結局、見つからず深夜までパソコンを見ていた。


---熱中症かも知れませんね。内覧の部屋もエアコンないし。


担当者の何処か他人ごとな一言に皆田がキレた。


---少しは気を使えよ!面倒臭ぇってのが、こっちにまで伝わってくるんだよ!こっちは客だぞ!そりゃ、物件決めなかったけどこっちは真剣に探しに来てるんだ!さっきから思ってだけど何その態度?お友達じゃないんですけど。


頼子は虚ろながら、初めて見る皆田を見ていた。夢の中で皆田が自分を守る騎士に見えた。

そして、クルマでお店まで戻った。


---また来週になっちゃうけど、内覧お願いしますね。体調は大丈夫?

---うん。大丈夫心配いらないよ。横になって休めたから。それより、さっさとこんなお店出ましょ。でも、あんな怒っている頼仁初めて見た。


お店を後にしたときには辺りが真っ暗だった。そんな時、パンという音が響いた。音がする方向に目をやると花火が上がっていた。ビルとビルの間に見えた花火は完全では無く欠けていたが、2人の心に響いた。

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