第2話  初めての


月曜日


---で、告白はOKだったの?


佐野が食い気味に聞いてきた。佐野は一昨日も聞いたが、LINEじゃ無理。直接話したいと断られていた。


---OK頂きました。


皆田は笑顔で言った。


---ところで相談何だけど、初デートってどこ行けばいいかな?プレゼントとか持っていくべき?

---プレゼントは重いよ。重量じゃなくか気持ちが。初デートはそうだな…横浜が良いかな。

---うわ、ベタだねーケーキを絵に描いて下さいってお題にイチゴ描くくらいベタだね。

---横浜はいいぞ。中華街はあるし、ロープウェイはあるし、公園もあるし、遊園地もあるし、赤煉瓦でショッピングってのもあり。とにかく初めてならお互いわからないから、比較的会話が少なくない訳じゃなく、待ち時間も何時間も待つ場合には変更できるし、初めてならうってつけじゃないか?

---分かった。了解!横浜に行きます。ちなみに、どんな会話をすればよろしいでしょうか?

---そんなこと知るか!自分で考えろ。と、突き放したい所だがヒントをやろう。とにかく好きなものを知っていこう。映画・音楽・食べ物や飲み物・ドラマ・アニメなどなど、きっとそこで共通点があるから見つけたらそこを攻めていく。

---分かった。参考にさせていただきます。


皆田は頭を下げた。

そして当日

皆田は緊張を隠して10分早く待ち合わせ場所に着いた。そしたらすでに頼子が居た。


---お、おはよー


と、わざとらしい挨拶。


---おはようございます。こうして会うと、なんだかこ緊張しますね。


と、頼子はいいニコッと笑った。それを皆田は間近で見て血圧が上がるのを感じた。


---オレたち付き合ってる訳だから、敬語は辞めよう!それより、お昼は中華街で食べない?食べ歩きも出来るけど、今度ね。今は座って落ち着いて食べたい気分。

---分かった。任せる。


皆田達は近くの店に入った。其処は、店員が日本人でそこはかとなく、高級な感じがしたが毅然とした態度で対応した。食べたいものを注文した頃。こ頼子が溜め息をついた。


---堀田さん疲れてる?

---ちょっぴりそうかも。昨日出社だったし…

---堀田さん疲れてるのかー。じゃあ、これからスーパー銭湯行こう!

---え?なんて?


頼子は聞こえていたが、聞き返した。現実と受け止めたくなかった。


---この近くにスーパー銭湯あるから其処で疲れた身体を癒やして!

---私、着替えとかタオルとか持ってきてないよ。

---大丈夫。館内で貸してくれるから!行こっ!


頼子は行きたく無かったが、デートをしたことが無かったので、初デートとはこういうもんだと思った。それと皆田のキラキラした目に逆えなかった。

早速入店して、すぐに男女わかれた。


---じゃあ、あとでね。


そう言われた瞬間思い出した。離れ離れになることを。皆田は頭を抱えた。ならばとばかりにさっさと洗い、湯船にも浸からず集合場所に先回りしていた。15分後お風呂上がりの頼子が出てきた。

お風呂上がりの頼子は普段より色っぽくみえた。新たな発見だった。合流してからは館内け着で歩き回り、安眠室で隣同士の座席をなんとか確保して、ひと休みすることに安眠室はおしゃべり禁止なので、お互い話さずにぼーっとしていた。


---じゃあ、帰るね。


耳元でそっと小さい声で頼子は言った。皆田は意識朦朧の中手だけ振った。次に覚醒した時は周りは初めて見る顔ばかりだった。身体が冷えて目覚めたのである。時計を見たら、20時過ぎだった。その瞬間皆田は青ざめた。急いで身支度し追っかけたが、其処に頼子の姿は無かった。急いでLINEしたが、既読にはなったものの返事はなかった。もう一度LINEを送ろうと思ったが、佐野の言葉を思い出した。「そうそうLINEを送るもんじゃない。しつこい男だと思われる。」

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