そこに白いブラウスがあるから

おもながゆりこ

第1話

昔、ある登山家の人がインタビュアーに


「何故山を登るのですか?」


と聞かれ、こう即答したそうです。


「そこに、山があるからです」




わ〜スゴーイ!パチパチパチ👏( ˊᵕˋ*)パチパチ




会社勤めしていた頃の事。




新人の女の子が、制服の下にいつも胸が大きく開いたシャツを着て、スカート丈も短めにアレンジしていますし、化粧も濃いめで、その上、髪を細かく編んで、黒人ダンサーのようなヘアスタイルをしていました。


若いからしょうがないか、と思っていましたが、そのままの格好でお客さんの前にも出るので、改めるよう上司が注意しました。


ですが彼女は、誰に何度注意されても言う事を聞きません。


ランチの時、上司が言いました。


「何ですか、その格好は。キャバクラのお姉さんみたいじゃない。○○さん、可愛いんだから、ベタベタ塗る事ない」


それでも彼女はその格好をやめませんでした。




腹にすえかねた上司が朝礼で言いました。


「私は○○さんの格好を良いと思いません」


彼女も、みんなも、うつむいて聞いています。


私は彼女が気の毒になり、何とかフォローしてあげたいと思いました。




上司が私に聞きます。


「おもながさんは、制服の下にいつも白いブラウスをきちっと着ているわよね」


私は頷きました。


上司が希望に満ちた顔で


「どうして?」


と聞きました。


私は真面目に答えました。


「そこに、白いブラウスがあるからです」




清潔そうに見えるから、とか何とか言って欲しかったのでしょう。


上司は絶句していました。


みんなは笑いをこらえていました。


私は少しはフォロー出来たかな、救われたかなと思いつつ、真剣な顔で佇んでいました。


ちらりと見ると、彼女は少しほっとした顔をしていましたε-(´∀`;)




そう!そこに白いブラウスがあるからです。


いぇい d(≧▽≦*)

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そこに白いブラウスがあるから おもながゆりこ @omonaga

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