第19話 早乙女財閥

「全然終わらない!!」


瑞稀が両腕を広げてため息をつく。


文化祭前日、私たちのクラスは明日お化け屋敷をするのだが…


仕掛けなどが必要なお化け屋敷は準備がかなり大変で、そっちに専念していたらいつのまにか自分たちの仕事が全く進んでなかった。


「ねぇねぇ、2人とも今からうち来ない?」


瑞稀がだるそうに喋る。


「せっかくならうちでお菓子でも食べながらやろうよ!今日特に予定ないでしょ?」


私はあっきーの方を一度見てまた目を逸らす。あれ以来なんだかぎこちない…


「まぁ、特にないけど…」


「じゃあ決まりね、さっさとうち行こう。」


私たちは雑に物をカバンに入れて外に出る。


「瑞稀の家って車で2時間かかるよね?」


私が瑞稀に言うと大丈夫大丈夫と手を振る。


「ヘリ呼んだからすぐくるよ、大体30分くらいでうちに着くよ。」


あっきーはいつもの顔をしながら瑞稀を見ているが、どこかもっと遠くを見ているように見えた。



私たちはヘリに乗る。


「高い高い高い!!!」


角の方で瑞稀の服に捕まりながらも私が叫ぶと瑞稀は笑って言う。


「乗るの初めてじゃないくせに〜!」


そのやりとりをあっきーは呑気に出された紅茶を飲みながら笑ってみてる。



ヘリを降りると、そこは大きな豪邸の庭だった。普通の門から入ると、玄関のとこに着くのまでにも時間がかかるが今回は歩いて数分で中に入れた。


「おかえりなさいませ、お嬢様。美希様…男!?」


出迎えてくれたのは数人のメイドだ。少し茶色っぽい黒髪をお団子にした吊り目の女性は、メイドの菜々子ななこさんだ。彼女は私たちに挨拶をすると、声を上げる。


「西尾 彰人です、瑞稀さんにはお世話になっております。」


あっきーがお辞儀をすると明らかに動揺した素振りを見せる。


「友達、何か美味しいお菓子ある?」


「お、お嬢様の友人…?美希様以外に…?誰か!最高のもてなしを!そしてお父様方に連絡を!」


手を叩いて他のメイドを動かす菜々子さん。


「お父さんは関係ないでしょ!!」


あはは、そういえば私が初めて瑞稀の家に来た時もこういうやりとりしたな…



私たちは居間に案内される。あはは、いつ来てもでかいな…この家にとって何百個もある小さな部屋の一つなのにあっきーの家が余裕で入りそう。


「飲み物やお菓子のリクエストはありますでしょうか?」


瑞稀がすぐに答える。


「私ほうじ茶。」


「私も同じのを…」


「僕も。」


するとメイドさんの顔が少し歪む。私とあっきーはまだしも、瑞稀はお嬢様なのに普段からほうじ茶とかコンビニの安いのを好んで飲んでる。


それからお高そうなケーキとお茶を出してもらって、美味しくいただきながら自分たちの仕事を終わらせる。


やっと終わった時には辺りは暗くなって、もう夕飯時だった。


「うちで夕飯食べてく?てか泊まって行かない?」


私はあっきーの方を向く、あっきーは構わないと言う顔をしたのでその日は泊まることになった。






「美希、あっきーとなんかあった?」


瑞稀の部屋で一緒しに横になっていると瑞稀にそんなことを聞かれた…鋭い。


ちなみにあっきーはお客様用の部屋で寝ている。


「うん、ちょっと…」


「何か嫌なことされてない?」


私は顔をブンブン振る、その様子を見て瑞稀は起き上がって携帯を取り出す。


「美希は仲直りしたいの?」


「そりゃあ…」


すると鼻で笑ってみずきが誇らしげに言う。


「任せっしゃい!!」






こんちは!雑学探偵あっきーだよ!

今日の雑学は瑞稀について!!


瑞稀の家の早乙女家は、世界三大財閥の一つ何だよ!

美希ってとんでもない子と友達だね!!


以上、雑学探偵あっきーでした〜!

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