第十四話 お化け屋敷
「と言うことで、うちのクラスはお化け屋敷に決まりました。」
一年三組のクラスで文化祭の出し物を決める、結果的にお化け屋敷になったのだが…
「では、一人一人係を決めようと思います。まずお化け役、6人。立候補、または推薦ありますか?」
係は約五種類になっているざっとこんな感じだ。
お化け役 衣装などを着て客を脅かし、怖がらせる役。
私はこの役は無理だな…
むしろ自分は怖がっちゃいそう…
脅かし役 ステージの裏とかでこんにゃくなどを吊るす人…
暗いとこは嫌だからな…
音響、照明 これも中に入ってる人に合わせて音を入れたり照明をいじったり…
これもちょっと…
受付、会計、並ばせる人 お客さんからお金をもらって誘導して…
これならできそう。
宣伝、説明 お客さんにどんな場所か説明して、看板とか持って歩いて…
これもできそうだな。
「美希どうする?私美希と同じのがいいな。」
「受付らへんか、宣伝らへんがいいな。」
「え、美希人見知りなのにできるの?」
うっ、痛いところをついてくる。
別に私はそこまで人見知りってわけでも無いが、それでもやっぱ初めての人には緊張する…
「説明や宣伝は怖い話をチラシなどにまとめて配るだけでもいいですよ。」
文化祭実行委員の言葉に目を輝かせる。瑞稀と顔を見合わせた後に瑞稀が手を上げて、私たちは説明と宣伝役になる。
「もう1人くらい欲しいけど、まだ係が決まってなくてやっていい人いないですか?」
「僕やってみたいです。」
そう言って手を上げたのは私の隣に座るあっきーだった、これで説明と宣伝役は決まったのだ。
「とりあえず説明役たちは何かストーリーを作ってください、できるのならノンフィクションでお願いします。この学校には七不思議などが多いですから。」
そう言って私たちはテーブルに座って話し合う。
「やっぱりあの屋上にいた白い着物みたいなの着た人のストーリーとか?」
瑞稀が楽しそうに案を出す、その話に私たちは乗って色々と調べ始めることにした。
少し経っていろんな人に聞いてみたり、本で見てみたところ、特に出てこなくてため息をついてたところだった。
「あら、みんなこんなとこで何してるの?」
そこにいたのは私たちの担任の先生、あゆみ先生だった。肩までの髪の毛、若くて大人っぽい先生だ。
「実は、」
瑞稀が事情を説明しているともう1人の先生も来る。確かあゆみ先生より十数歳年上だったはずの先生、歴史の瑠美子るみこ先生だ。綺麗な髪をお団子にしてる、優しい先生だ。
「う〜ん、そうねぇ。いい話ともいえないけど、もってこいな話なら…」
瑠美子先生がいつもの優しい顔で話し始める、がそこで言葉を飲み込んだ。
「?」
「あ!えっとね、」
瑠美子先生がいつもと違うぎこちない顔で話し始める。
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