第9話 夜の学校

「あっきー、まじで行くの?」

「うん、もちろん。」

もうすぐで夜10時、あっきーは学校指定の学ランを着て私もセーラー服を着る。

「美希、上着着ないと寒いんじゃない?あと手袋とかもしといたら?」

私は指摘されてすぐにあたたかい薄黄色のカーディガンを着て手袋をつける。

「行く気満々じゃん、」

またもや指摘されハッとする、私はあまり乗り気じゃないのだ。瑞稀が作ったグループチャットには夜10時に校門前で集合ときたのでもうそろそろ出なきゃいけないのだが…

「何?怖いの?」

私は顔を縦にブンブン振る。

「大丈夫だよ!生きてる人間の方が圧倒的に怖いから、」

あっきーの綺麗なヘーゼル色の目の奥に闇が見えた気がした。


学校に向かって歩く。これから起こるかもしれないことを考えると怖くて、沈黙が耐えられなくて無理やり話題を作る。

「あっきーはこういうの好きなの?」

「こういうのとは?」

「その、お、化けとか?」

私の反応を見て少しニヤつくあっきー。

「好きだよ、逆に美希は嫌いなの?」

「そりゃ…怖いし、」

するとあっきーが私を元気付けるように言った。

「こう考えてみよう、オバケとか幽霊って死んだ人間とかじゃん?まぁ例外もいるのかもしれないけど…」

「…それが?」

私は話のオチが見えなくて続きを聞く。

「もしかしたら亡くなってしまった家族とかに会えるかもよ?」

私の頭にお父さんの顔がよぎる、そっか!そう考えれば!気づいたら校門前に着いていた、瑞稀が水色のリュックを背負って手には懐中電灯を構えていた。

「二人ともちゃんと制服できたね!まずは写真撮るよ!」

楽しそうに携帯を構える瑞稀、

「今日撮る写真は全部グループチャットに送っとくね、」

「ありがとう。」

「じゃあこれどうしようか?」

私たちはしまってる校門に触れる、冷たいな。

「普通に乗り越えようか、」

そう言って瑞稀がジャンプして門に乗り、飛び降りる。

「え、」

流石のあっきーも驚いていた。

「美希も余裕でしょ?彰人は乗り越えられる?」

「まぁいけるけど…身体能力高くない?」

そう言って門に手をつき体を斜めにして飛び越えるあっきー、私も門に乗って飛び降りる。

「不法侵入成功!まずは一番近くの七不思議2番目、トイレの花子さん!」

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