第3話 騒音
丸い間取りのダイニングキッチンには木でできた丸テーブルと三つの椅子、2階へつながる階段の真下にはカウンターキッチン。これも木でできてる、段差を降りるとリビングだ。フカフカの赤いソファと人間をダメに…と言うか私をダメにしそうなクッション、あとは棚に二人の写真と絵がある。下手くそなアロが描いたであろう蝶々…?あとはもう2枚、かなり上手な夜の海とものすごくリアルな夕空。階段を登ると勉強机に鉛筆と消しゴムが数個、ベッドはキングサイズ程度の丸いマルタベッド。この家の家具は少し変わっている、まるで…
「アロとロア…さん以外にここで誰か住んでたの?」
二人は夕飯時にはどこかへ行ってしまう、ベッドは彼らのものではないのだろう。まあ昼寝ようかとも思ったけどソファとクッション、絵、三つの椅子がもう一人の人物を想像させる。
「僕も呼び捨てでいいよ…半年くらい前まではここにもう一人住んでたよ、それがどうかした?」
いつもよりも態度が少しよそよそしく感じる、あまり聞いてほしくはないのだろうか…?
「じゃあ夜ご飯できたから食べたらシンク突っ込んどいて、じゃあね。」
「…じゃあな。」
「ありがとう…」
やっぱり、少し家を調べたいけど…流石にやめといた方がいいか。私は夜ご飯を食べながら持ってきてもらった魔法についての本を読むかぁ。私って字ちゃんと読めるんだな、近くの国は大体この国と同じ言葉を使うらしい。
「え〜、フロート。」
私は目の前にあったスプーンに借りた茶色い杖を向けて呪文を唱えた、するとスプーンが浮く。それをうまいことコントロールして私の手元に持ってくる。
「便利だな〜。」
なんて呑気にスープを飲んでパンも食べる、美味しいな〜。その時、そこそこ近い場所で何らかが爆発したような音がした、ドゴーンと。
「なんだろ?」
まぁ私には関係ないだろうと思い無視しようとしたがそうもいかない、だって…
「うるさい…!!」
ドゴーン、ドゴドゴ、ドッドゴドッゴーン♪
鳴り止まない騒音は何かのメロディーをかなえてるようで…うざい!一生鳴り止まない音を不満に思う、まぁ私にはどうしよも…目に留まったのは今日使った箒と今手に持ってる魔導書に杖。あっ、これどうにかできるかも。私は食べ終えた食器をシンクに突っ込み、箒に乗って街の方を見に行こうとする。やばそうだったら帰ろう。そう思い外に出て冒険気分で箒をまたぐ、が私の冒険はすぐに終わってしまった。
「ルカ!頼む、手を貸してくれ!」
必死に走ってきたアロは何らかのかすり傷や火傷のような傷がついてた。
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