堂山賢治さんの日記の一部分ととある歴史資料博物館から引用した◼️◼️村についての報告
2001年9月22日 晴れ
起きてから軽い朝食を食べ終わった後自転車でしばらく走っていると1つの村を見つけた。
しばらく野宿続きだったが今日は久しぶりに宿泊が出来そうな場所に辿り着いた。
場所は〇〇県の田舎にあり、名前は◾️◾️村と言うそうだ
村は決して多いとは言えないが少ないとは言えないくらいの規模の人口だ。
「ここに人が来るのは久しぶりだねぇ」と村長さんに言われながら私は差し出されたお茶を飲んだ。
「折角の客人なんだ 今日はここに泊まっていきなさい」と言われ、遠慮しながらもその提案に了承した。
村で取れる野菜などをふんだんに使った昼飯はもちろんのこと、肉をメインとした晩飯も最初は少し変な味はしたものの途中からその味にハマって無我夢中で完食した。
風呂も入り寝る準備もしたので今日はここで辞めたいと思う。
2001年9月23日 くもり
寝ている最中変な匂いがしだし、いつもよりも早く起床してしまった。
体を起き上がらせると村長さんが私の布団の前で立っていた。
正直、びっくりした。村長が包丁を持っていたのだ。
まあ、近くの台所からコンロの音と鍋が沸騰しているような音が聞こえて誤解に気づいた訳だが。
「おはようございます 今朝食の準備をしますからね」
そういうと村長さんは包丁を持ちながら台所へ向かった。
朝食にはパンを出された。
昼頃になると村人たちが騒いでるかのように見え、村長に聞くと
「あぁ、もうすぐお祭りみたいなのが始まるんです。」と返された。
一体どんなお祭りなんだろうか...と思い、村長に聞いたが曖昧に返された。
少し気になったので何か知れればと思い外出した。
辺り一面は自然に包まれ、風が気持ち良い。旅行だったら長期滞在をしていただろう。
そう思っていると山の方だろうか。近づくにつれて朝から嗅いでいた異臭が強くなった。
と、その時村に住む子どもに話しかけられた。
やはりこの村での客人は珍しいものらしい。
子どもには色々と質問され、どれも丁寧に答えるようにはした。
村の人間にバレると失礼だとか何か言われるかもしれないので子どもにお互い内緒にすることを約束してこの異臭について聞いた。
「このにおいきらい!いつもはこんなにくさくないのに。たまにひとがくるとこのにおいがするんだ。」と子どもは言った。
何処か不気味に思えたので私は昼飯と夜飯を食べた後、書き置きのメモを残してみんなが寝静まっている深夜に村から抜け出した。
帰るのが惜しくならないようにするためだ。
しばらく自転車で走ってちょうど良さそうな場所を見つけたので今日はここで野宿する。
今日はここで辞めたいと思う。
2001年9月24日 晴れ
昨日は深夜までずっと自転車を漕いでいたのでいつもよりも遅い時間に起きたような気がした〜...
(その後は当たり障りのない内容が日記には綴られている)
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1728年の江戸時代に当時干ばつが長く続いていた◾️◾️村にて
村を訪れたとある2人の旅人が長くまともな飯を食べれていないことから喧嘩をし、片方を殺してしまった。
焦り、そして何よりも飢えていた旅人はその死んだ旅人を解体し、食せなさそうな部分は山に捨てそれ以外は全て食べてしまった。
その一部始終を見ていた村人は旅人を責め立て報いとしてまさに殺されようとしていた。
その時だった。突如大きな雨が降り出し村の畑が潤った。
ここで旅人は死にたくない思いで咄嗟に
「外から来た人間の死体を山に捧げると山に住む神によって身体に加護を受け、その加護を受けた身体を生きている人間に取り込むと一時的に神の力を得ることができ、この村は雨が長いこと降っていないと聞いた自分はその力を使った」と説明した。
そしてそれをまんまと信じ込んだ村人は豊作を願い、旅人などの外から来た人間を殺して食すようになる
この伝統は事実が判明して廃村が決まった2002年まで長い間行われていた。
このように当時の江戸時代は〜...(◾️◾️村廃村後に建造された〇〇県のとある歴史博物館の展示物より抜粋)
報告は以上である。
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