一家心中疑惑事件についての報告書ととある宗教の取材メモ

2001年9月26日、〇〇県〇〇市〇〇区にて鳩中圭二郎さん、その配偶者である里中恵子さん、そして夫婦の息子である里中健木君が殺害されると言う事件が起きた。恵子さんと思わしき女性の叫び声を聞いた近所の住民から通報をされ、警察が着いた頃には家族全員が殺されていたと言う。また、恵子さんと思わしき女性の叫び声からしばらく経った後、男性の叫び声も聞こえたと言う。死因は全員刺殺とされており、圭二郎さんは喉元が切られており、恵子さんは上半身を複数刺されたような跡があり、健木君は腹部を刺され亡くなっている。凶器には包丁が使われており、持ち手の柄尻のところには家紋のようなものがあったと言う。

凶器の指紋には圭二郎さんの指紋がついていた

ことから一家心中なのではないかと言われている。

また、家宅捜査を行なったところ凶器である包丁の他に、圭二郎さんが使用していると思われる倉庫から犬や鳥、猿などの爪と思わしき物と壺がいくらかあった。

壺にはいずれにも包丁についていた紋章のような物がついていた。

また、とある壺の中身には大きな人形が二つと小さな人形が一つ入っており、その人形には一家の刺された箇所と似たような場所に印が刻まれていた。また別の壺には人の頭が二つあるような人形が入っていた。そしてその人形の中身を確認したところ「救われる時は近い」と書かれた紙が入っていた。初めは鳩中家を恨んでいる人間による呪いの類ではないかと言う噂が囁かれていたがこの人形や壺には圭二郎さんの指紋以外は見つからず

また、圭二郎さんの倉庫には侵入したような形跡はなかった為、噂は自然消滅した。

里中家をよく知る近所の人達によると休日は健木君が両親と手を繋いで皆笑顔で歩いている姿をよく目撃されており、健木君が通っている幼稚園の先生によるといつも元気で園のみんなとよく一緒に遊んでいたと言う。また、圭二郎さんの会社の同僚や恵子さんのママ友にはいずれも気さくな性格で好印象であったそうだ。

事件当初はマスコミや世間はかなり大騒ぎであり様々なことが議論された。やれ一見元気そうに見える人間にも内面ではとんでもない闇を抱えているだとかやれ人間の精神は簡単に崩壊するなどと言われていた。しかし語られたのはどれも精神的なものであり事件の解決に繋がるようなものは見つからず、2ヶ月後には皆から忘れ去られた事件となった。

報告は以上である。


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◼️◼️◼️◼️教 についての報告

取材者◼️◼️社所属 ◼️◼️◼️ ◼️◼️


◼️◼️◼️◼️教に関することは本当に親しき人間以外には話してはいけない


目的は人間という狭く苦しい肉体から脱却を転生により行い、社会を必要としない自由を目指すことである


転生先は愛される自由を持つ犬、子孫を持つ自由を持てる猿、好きなように生きれる真の自由を手に入れる鳥である。転生先を選ぶのは犬▶︎猿▶︎鳥の順に難しくなる


信仰対象は主に1つの体に頭が2つあるように見える結合体双生児の◼️◼️◼️◼️◼️氏と◼️◼️◼️◼️◼️氏である


◼️◼️◼️◼️教の紋が入った壺や日用品を買うことで力が貯まり、鳥になりやすくなる

ただし購入出来るものはいずれにしても異常な値段である

また周期は変則的ではあるが定期的に紋の模様は変更される


転生される信者は週に1度決まり、信仰対象である◼️◼️◼️◼️◼️氏と◼️◼️◼️◼️◼️氏を模した人形と信者の姿とその親族を模した人形を渡され、手順を伝えられる

しかし、その手順のほとんどが自殺と親族への殺人を犯すものである

また、人形にはその手順通りに行うと現れるであろう傷が出来ている


また、信者の共通点として所帯持ちであることが判明している


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取材者は現在行方不明であり、捜索は難航している。

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