第137話 仁義なき(?)戦い

 もう少しで年明けの零時れいじを迎える。人も多くなってきた。無関係の人達を

巻き込んではまずいし、警察沙汰になったらそれはそれで大問題。お寺の裏の

空き地に移動した。ここは丁度、林が四方を囲っていて遠目からは見えない。

人通りも少ない方向だし、もし暴れるような大事おおごとならここが適切かな。

 「生徒会役員の皆さん!いるんでしょ?私達はここですよ!」

やはり出てきた。しかし人数が足りない。凸凹でこぼこの背丈の感じから察するに、

千田先輩と深山先輩かな。きらびやかな月明かりが、足下を照らし始めた。

「私も加わりたいのだけど…、力ずくとなると専門外でね。和歌に任せるわ。」

そう言った瞬間、何かキラキラしたものが飛んできた。よく見ると…ナイフ!?

この映画のような事態を救ってくれたのは、宮城先輩だった。ご丁寧に、全て

受け止めて地面に揃えて置いている。まだまだ余裕…なのかな。

「お前…、私に向かってこんなものを投げるとは…!」

そう言って先輩が投げたのは、自分で携帯している折り畳み式の警棒。

しかし、投げたとは言えさっきのナイフより速度が速い。物量は違うのに。

そのままける間も無く、警棒は深山先輩の足にクリーンヒットした。

「うっ!?あ…っ!!」

たまらずダウンした深山先輩の面倒を、千田先輩は見れなかった。

私がそのまま千田先輩の所まで走って鳩尾みぞおちに掌底を打ったから。

「良かったですね、あの時縛っておいて。縛らなかったら絶対に皆さん

こうなってましたから。」

その言葉を聞いていたかは定かではないが、気絶した二人をしっかりと縛って

大木の側に寝かせておいた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る