第138話 交換条件

 「お姉様!あちらに!まあ…お二人はやられてしまったようで。」

ちょっと遠くから声が聞こえた。どうやら後の二人の、水無月先輩と神川先輩

らしい。思い描いた結末ではない事にどう反応するか、楽しみではある。

「遅かったじゃないですか、先輩方!用意して頂いた前菜は先に楽しみましたよ。」

「…ッ!アンタ、意外にパワー系なんだ。見誤っちゃったな。」

「元々はこういう方面だったってだけです。今はそんなに出したくないんですよ。

知り合いの前ですし。…隣の人は目を輝かせてますけど。」

だからそんなに手を出したく無かったんだ。こういう人に目を付けられるから。

「驚いたな…。綺麗な一撃だった。良ければ今度手合わせでも…。」

「そういうのは後です宮城先輩!今は話をつけさせて下さい。」

戦闘狂の先輩の話は置いといて、私はすかさず提案した。

 「神川先輩!ここで無かった事にすれば、私は何も言いません。

このお二人も解放します。生徒会である手前、その経歴に傷を付けたくは

ありませんよね?もしくは…会長に言っちゃっても?」

「…分かってるじゃん。そう、全部私が計画した。アンタが邪魔だから。

でも、返り討ちにされちゃあしょうがないかな。チッ、こんなはずじゃ…。

伊予、和歌をおぶって行って。私は双葉を連れて行くから。」

連れて帰る際に、目の前で中指を立てられて捨て台詞的な物を言われた。

「覇那ちゃんが当選したら、真っ先にお前呼ぶから。また縛るからね。」

水無月先輩からは、侮蔑ぶべつの冷ややかな視線を貰うだけで済んだ。

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