第48話 どうしてそうなの?
多少の思いつきではあったものの、クオリティの向上に繋がったと
思えば満足。私の専門外の範囲をカバーする人材、これこそ必要不可欠なもの。
ここまでぴったり来るケースも他に無かったけど。
「にしても、よく怯まなかったね。まあ、そういうタイプか。ネネは。」
「あー。アイドル自体は自分貫き通すヤツが強いからさ。その流れかな。」
「あたし、お姉ちゃんのアイドル時代のグッズほとんど持ってる。」
「ちょっと。わざわざ見せないでよ!もう過去の話!おしまい!」
「そう言うのに、アイドルの時の話ばっかじゃん。それしか無いの?」
「まあ…あの時も今も、それしか無かった訳だし、アタシまだこれからじゃん?」
ネネのちょっとした芯の強さを感じていたお昼時、スマホが震えた。
先日の福岡先輩。まだ何か用があるのだろうか。それとも…。
メッセージを見てみると、また面白くなりそうな事が書いてあった。
『急でごめんね。音々さんに、ボーカル頼めないかな?』
「え、嫌。ホントに無理。これ以上は目立つことになるから。」
「でも、協力はしたじゃん。あれの延長線でってことにならない?」
「
それもそうだ。真ん中で歌う訳だし。にしても、これ程までに
ネネが『目立つこと』について、異常に身を引く理由は何なのか。
「そもそもアイドルやってたのに、目立つのが嫌いってどういうこと?」
まあ、今の私なら口に出てしまうよね。例え、変なとこに触れるようであっても。
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