第44話 先輩の依頼
同性だからという事ではない。前提として、恋愛事に興味が持てない。
そんな暇があるなら、自分を磨いたりして少しでも良く自分を見せたい。
上に立つ者として、十分な内外で無くては。
「こ…困ります!そういう色恋沙汰は、他の子でお願いします!」
「…??ボク達の演奏を見て欲しいって言いたかったんだけど。」
顔から火が出そう。いや、こういうシチュエーションでこんな近くで
言われたら、誰でも勘違いするに決まってる。この先輩が悪い。きっと。
よくよく話を聞いてみると、スリーピースのバンドを組んでいるが、
音の良し悪しの判断が一人しか出来ないために、他の人にも聴いて欲しい、
ということだそうだ。ブレザー…もとい、
ルックスで、客寄せパンダのような事をさせられていたという。しかし、その
スキルが高すぎて、寄ってくるのはファンの子ばかり。しっかりと音を
聴いて判断してくれる人を募集していたのに。良すぎる顔も時には
デメリットになり得るんだ。面白いケースに当たったかも。
「それなら、私より適任の子がいるので紹介しますね!」
正直私には、音楽のことはよく分からない。けれど、この上ない
適任は知っている。プロの世界で、プロの音楽を聴いてきた元アイドル。
この勢いで連絡先を交換してしまったが、本当に口説かれたりしたら
この話は無かった事にしておこう。
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