第40話 新しい課題

 「にははは!!それで逃げ帰っちゃったんだ?ここでは数人くらい

しか知らないだろうけども、ウチは丁度あの人格が出てきた頃に

知り合ったからね。言った方が良かったかな?」

そこまで知ってたなら言っておいて欲しかった、というのは最早

言い訳にしかならない。だけど、逃げ帰ったのは事実なのでぐうの音も出ない。

 あの柔和な笑顔がスッと消えて真顔がじっとこちらを睨んでいる。

ギャップが強すぎて直視出来なかったのもあるが、恐怖の感情を抱いたのは

確かだった。あんな癖の強い役員達を、統率出来る理由が分かった気がする。

 「それでも…、私はあの生徒会長を下して新しい生徒会を作らなきゃ。

裏工作が通るというのは分かりました。どうしたものでしょう?」

「ウチに頼む?無理だよ。これでも三年、来期はもういないからね。

皆機械の扱いは慣れないだろうし、この機器類も撤収かなあ。」

このカメラなどは使える。弱みを握るには欠かせないし、他の候補者の

素性を探る時にも重宝するかも。でも、取り扱いに長けた人がいなくちゃ。

「じゃあ、そういう人を委員会に入れればいいんじゃ?」

我ながらいいアイデアが閃いた。しかし、そう簡単に見つかるような

人材ではない。この課題は優先事項として憶えておこう。

 期待は出来ないが、念のため二人にも共有して探してもらおうと

メッセージアプリにしっかりと宣伝しておいた。

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