第20話 風紀委員会長 森岡青乃

 「あ、あの…。ここ風紀委員会ですよね?」書いてはあるが、

変にそぐわない雰囲気のため、聞いてみるしかなかった。

「ええ、この教室は風紀委員会の会室となっております。」

今までの対応とは違う、物腰柔らかな態度に少々感激していると、奥から

絵里衣えりい!何?お客さん?今日はそんな予定無かったよ!」と声がした。

「いえ、青乃あおの様。どうやら風紀委員会そのものに御用だそうで。」

「へぇ…風紀委員会にねえ?いいよ!通しちゃって!」

私達は、声の通りに会室の中へ招かれた。そんな調子でもいいんだ。

 教室の中はまだ四月だと言うのに冷房がガンガンに効いている。

こんな中でも顔色ひとつ変えないメイドさんはさすがだ。

暖かいお茶に手をつけていた時、さっきの声の主が現れた。

どう見ても私より背が小さい。隣にメイドさんが並んでいるから余計そう見える。

モサモサしたボブヘアーに黒縁の眼鏡。ダボっとしたパーカーを着ている。

「ようこそ風紀委員会へ。ウチは会長の森岡青乃もりおかあおの

隣のメイドは副会長兼ウチの専属メイド、神戸絵里衣かんべえりい!」

会長?ということは少なくとも二年生以上?…先輩?

「何々?そんな変な顔して…。このコンビが珍しい?それとも、この

絵里衣のモデル顔負けのルックスに?…ウチの背じゃないよね?」

「恐らくは、全部だと思います。青乃様。」

図星の表情をする前に言い当てられた。このメイド…完璧?

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