第21話 サイバー・レディ

 「それで、私達…」と言いかけた途端に、手で止められる。

「知ってるよ。この学園で、生徒会長になりたいんだって?にはは!

そういう子が来るのを待ってたのよ。」満面の笑みで答えられた。

「青乃様の御家は日本で五指に入るIT企業。電子機器のジャンルならば、

あの桐生院グループに遅れを取りません。それ以前に、御父上が仇敵きゅうてき

関係にあります。この学園でも、その影響が見受けられるかと。」

なるほど。それで、こんな端に追いやられて活動していると。

 「けどねえ、ウチらはそれだけでは大人しくしない。こっちの

部屋に入ってよ。すごいの見せちゃうから。」言われるがままに

隣の部屋に入ると、無数のモニターが配置されていて、校内の

あらゆる場所がモニタリングされていた。まるで警備室の様だ。

「小型だけどそれなりの画質だからね。設置には苦労したよ〜。

勿論だけど、許可なんて取ってないから。隠し撮りってやつ。」

「…仮にも風紀委員会が、大丈夫なんですかね?」

さすがに心の声が漏れた。この学校、やはりスケールが違う。

 「さてと、キミ達の事もしっかり調べてあるよ!」

今思えば、ここに来ることも想定済みだったのかも。

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