第19話 変な会室

 「どうやらこの学校、予想以上に生徒会の力が強いみたいね。」

「何か裏があるのよ。ネネは入学式で見たでしょ?生徒会長。」

「まあ…。熊とか筋骨隆々きんこつりゅうりゅうって感じではなかったね。」

「わぁびっくり。熊さんがいるなんて。」

「ちょっと黙ってて。」

 三人で歩き回っていると、ちょっとした違和感に気付いた。

「ねえここ…、『風紀委員会』って無いの?こういう格式高いとこって、

そう言うのうるさかったりするような…。だから私、制服着てるんだけど。」

「それ屋内の地図?どれどれ…?あっ!こんな変なとこに。」

指差した所は、三階の一番端の小さな教室。階段からも遠く離れている。

単純に人が少ない?でも、こんな変な部屋割りは納得出来ない。

とても気になる。とても遠かったがしっかりと見ておきたかった。

 物置のように備品が置きっぱなしになっている。その隣の扉には、

画用紙にマジックで大きく『風紀委員会』とだけ書いてあった。

人が居るかも分からない雰囲気に負けず、ノックしようとした途端とたん

中から出てきたのは、メイドだった。嘘じゃない。本当にメイド。

丈の長いスカートで、エプロン姿のクラシックメイド。

もっと驚いたのは、真顔でも綺麗なその表情。外国で売られている

人形のような顔立ちのそのメイドは一言だけ言った。

御用ごようは何でしょう?」

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