第11話 第一協力者

 「何でもって…。そんな、高校生なのに?」耳を疑った。

普通の規模ではないこの学校の全てを好きにして良いなんて、馬鹿げてる。

「まさか、学校の資料だけ見てここに入学した感じ?あんなこと

言っておいて、そこら辺のことは知らないんだ?」

実際そうだから言い返せない。ネームバリューと自分の目的のために

ここに来ただけ。先生方、及び理事長は何を考えているんだか。

「ここ、制服って支給されるだけで、後はどうぞご自由にってスタイル。

真面目に着てるの、ホントに少ないよ?アンタ含めて。」

「海香!私の名前!」『アンタ』呼ばわりされてちょっと腹が立ったのと、

知らない情報でマウントを取られている気がしたから、余計に。

「それが何?私の目指す所は変わらない!ちょっとしたおまけが

付いただけじゃん!そこが目的の奴らなんかに、負けられない!」

 「…そう。悪かったね。」意外。あっさり引けるんだ。

小言を言ってきたにしては随分と冷静じゃん。と、思っていると、

そいつは私の前に立って手を伸ばしてきた。

「なかなか面白いじゃん、海香。アタシは京音々みやこねね。ネネでいいよ。」

私への評価が『面白い』なんて、どうかしてる。だけど、この目の前の

顔が良いやつは、私と仲良くしたがっている。後々役員を決めるためにも、

まずはこの学年で増やした方が良さそうだ。『使えるやつ』を。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る