第10話 その後

 次の日、登校して早々に思いを巡らせる。昨日の今日なので、また

ああいうことになって騒ぎになるのも面倒だ。違う意味で注目されるのも

嫌なのでしばらくは大人しくしておくことにしよう。

 「…うわ、いた。」何?人をものみたいに。確かに昨日はそんなに

このクラスに興味を示さなかったから、無理もないか。

「アンタ知ってる?噂になってるの。入学早々生徒会と揉めたって。」

…やっぱりその件か。放課後にあったのに、広まるのが早い。

「揉めた訳じゃ…。興味あったから、話聞きに言っただけ。

たったそれだけで、そんな変な話になってんの?まさか信じてないよね?」

「まあ…ちょっとは。初日からあんなこと言うようなヤツだし。ほら、

そういうキャラって、何かと面倒ごと持ってくるじゃん。」

キャラ付けまでされてる。もう生徒会に入るどころじゃないかも。

生徒会室に行っただけなのに、なんでこんなことに…。

 「でもさ、珍しくないよ。ここでは。」このひと言が引っ掛かった。

そんな大層な夢を抱いて入学してくるような人が、まだ何人もいたりするの?

「知らないの?ここの生徒会って、この学校の全部を好きにしていいの。」

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