第7話 豹変
「…ごめんなさい北見さん。ええと、もう一回言ってもらえる?」
「…?『将来的には生徒会長に…』」突然の大きな音に
向かい側にいる神川先輩の方からだ。何やら様子がおかしい。
十秒前とは違う目つきが見えた。明らかに敵意を持った
クオーターだという綺麗さだが、その茶色の瞳が裏に黒いものを宿している。
「この学園の生徒会長は桐生院覇那。あの子だけ。覇那ちゃんが居る内は、
他の誰かが会長職に就くなんて、無いから。」
「そうですわ!あの方が見上げる立場になるなんて…考えられませんの。」
水無月先輩も隣で声を荒げた。まさか、地雷だった?この話題。
それならそうと心に留めておけば良かったかな…ん?何これ?
気付いたら椅子にガムテープでぐるぐる巻きにされて縛り付けられている。
「あーあ…。言っちゃったから、もうダメ。取り消し無理。」
いつの間にかゲーム機をガムテープに持ち替えた深山先輩は、目に明らかに
ハイライトが無い。「ちょっ…何ですかこれ!千田先輩!先輩!」
声を上げても、そばに立っているだけの千田先輩。なかなかに高いその身長から、
はっきりと威圧感が感じとれた。
「困ったわね…。幾ら私でも、三人がこうなったら止められないの。
ごめんね?でも、いくら何でも『生徒会長になる』なんて、現生徒会の前で、
敵に回すかもしれない人達の前で言うのは、ちょっと
少々痛い目でも見て、直しておきなさいな。」…え?痛い目?
もう何も考えられなかった。絶体絶命。間違った高校デビューしちゃった。
痛め付けられる覚悟を半端に決めた瞬間、生徒会室の扉が開いた。
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