第3話 第一印象

 桐生院って名字は知ってる。というより、この全国で桐生院の名前を

見ない日は無い。数少ない巨大企業、桐生院グループ。あの一族の長女が

桐生院覇那。いかにもお嬢様って感じ。整った顔立ちに長い縦ロール。

制服には乱れた所は一つも無くて、背筋が綺麗に伸びている。

見た目だけだったら、私は勝てない。いや、私はまたベクトルが違うし、多分。

 でも、圧があるって感じじゃない。逆に親しみやすい、誰とでも

へだて無く接してくれるような印象。全部当てはまるんだろう。

マンガとかでよく見るお嬢様キャラって、ああいう風だったな…。

 だけど…去年に同じ立場?ということは二年生?二年生でもう

生徒会のトップ、生徒の代表として居座ってるって言うの?

私の中学時代でさえ、会長職に就いたのは三年生からだった。

この学校って三年生がいない…訳じゃないよね?

 先輩達を差し置いて堂々と上に立つその風貌ふうぼうは、後々考えると

納得出来るものではあった。やはり、ご令嬢はそういう

力も持ってないと、将来はお先真っ暗だからね。

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