第7話 新しい毒魔法

 ギルドでクエストを受注した後、俺は今回のクエストの現場であるゴブリンの巣窟に移動していた。


 森を数分歩くと、開けた場所が見えてくる。奥には、ぽっかりと穴の空いた崖がそびえている。


 ラーミスさんはそこら辺に落ちていた石を、どういう意図かは分からないが音を立てるようにして投げた。


「ラーミスさん…一体何を?」

「見てれば分かる」


 言われた通りに見ていると、少し経ってから穴の中から人……いや、ゴブリンが出てきた。


 音に反応して出てきたのか……?

 それよりも……やっぱリアルで見るとよりキモイな。本能が拒絶してる気がする。


 人間とはかけ離れた緑色の肌に、小汚い腰巾着を巻いているゴブリン。背丈は子供ぐらいしか無く、かなり弱そうだ。


「カオル、あいつ殺れる?」

「えっ、俺がですか?!」


 オーク相手に逃げ回り、録に戦い方も分からない俺にどう戦えと。あと、そのお前なら殺れるみたいな目で見つめてこないで。胃が痛い。


「カオル、貴方はどうやってオークを殺った?」

「そりゃ毒魔法で…」

「じゃそれで殺ろう。オークを殺せるならゴブリンなんて楽勝。それに……ギルドで見せた資料に載ってたのを試すなら絶好の機会だよ」


 確かにゴブリンはオークよりも二回りは身体が小さいし、その分毒の回るのも早くて簡単に殺れるな。それに過去の資料に載っていたのを試すのにもちょうど良い。


「……分かりました。やってみます」

「ん、頑張って」


 前回……オークに毒魔法をぶち込んだ後、とてつもない疲労感が俺を襲ってきた。それは魔力枯渇と言う症状らしく、主に銅階級冒険者などに多いらしい。魔法に込める魔力量が分からないからだそうだ。


 俺が寝てしまったのもそう言うこと……なので今回はしっかりと魔法に込める魔力量を調節する。


 深呼吸をし、魔力を込めながら過去の資料で見た毒魔法を再現していく。


 相手を狙い定め、毒を撃ち込むイメージで……!


「『ポイズン・スナイプ』!」


 構築された魔法陣から高速の毒の弾が放たれ、見事にゴブリンへ命中する。『ポイズン・スナイプ』……過去の資料に載っていた、第五代魔王が使っていた毒魔法らしい。


 他の毒魔法もあるにはあるが、魔力量が足りなく使うことは出来なかった。唯一使えたのがこのポイズン・スナイプだけだった。


「カオル見て」

「ん?」


 ラーミスさんが指を差しながら言ってきたので、俺は指を差している方向に目を向けた。

 そこには毒魔法を当てたゴブリンが悶え苦しんでいた。


 やがて地面に膝から崩れ落ち、ピクリとも動かなくなった。どうやら毒の効力も十分なようだ。


 遠距離からの狙撃は、まだ戦い方を知らない俺にとってかなりの武器になるのではないか。


 役立てることを知った俺は、胸を踊らせながらゴブリンの出てきた穴に入っていった。






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 えちょまです

 戦闘までが長いですね。頑張ります

 それじゃ

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