第5話 冒険者デビュー

 ギルド内に居る全員の視線が集まる中、ラーミは堂々とした態度で受付嬢らしき人物の所へ歩いて行く。俺もラーミスさんに着いていくが……如何せん視線が痛い。


 何?何なの?俺、君たちに何かした?ラーミスさんは綺麗だから注目を浴びるのは分かるけど、何の特徴も無い俺が注目されるのは何故?


 何やら受付嬢と話しているラーミスさんの後ろに着きながら、キリキリしている胃を収めるべく腹をさする。


「───ん、分かった。カオル、貴方冒険者になる?」


 んー???ぼうけんしゃ、冒険者か。ちょっと突然すぎて理解が追い付かなかったけど……なるほど、冒険者か。職に就けるか怪しいアルカーナでは1つの道かもしれない。


 でもなぁ、怖いんだよなぁ。漫画とかラノベだったら主人公がチートとか持ってるからバンバン行けるけど……俺は毒魔法だぜ?攻撃手段がひとつしかないんだぜ?自分の身を守れないのに冒険者になるなんて……


 いや、でも待てよ……折角異世界に来たんだ。前世では早死にしたいせいで何にも出来やしなかった。ならするのは今世じゃないか?冒険者になって、前世の社会では見られないような景色を求めて世界中を旅して、美味しい飯を食う。


 そこまで行くのには俺自身が強くなる必要ある。だが、毒魔法だけで強くなれるかは分からない、でも俺はそうしたい。これは俺の絶対的な意志だ。


 だったら……なるしかないよな。冒険者に……!


「なります。俺は、冒険者になりたいです」


 俺がそう言うと、ラーミスさんはクスッと笑った。そして俺にしっかりと向き合い、握手を求めながら言った。


「ようこそ、冒険者の世界に」


 俺は差し出された小さな手を握り返す。


「よろしくお願いします!」


 かくして、俺は冒険者デビューを果たした。



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 えちょまです。

 ここから1000文字平均で書いていきます。

 それじゃ








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