第7話

香織と涼介は、星光産業株式会社のビルを後にし、次なる手がかりを求めて動き始めた。彼らは企業の内部告発者たちから得た情報をもとに、さらなる証拠を集めるため、港町に戻った。そこで、再び門司港の古い倉庫街を訪れることにした。


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門司港の古びた倉庫街は、昼間でも薄暗く、人影もまばらだ。二人は慎重に歩を進めながら、目指す場所へと向かっていた。


「この倉庫街、まるでホラー映画のセットみたいね。ちょっと怖いわ。」

香織が冗談混じりに言った。


「まあ、ホラー映画と違ってゾンビはいないから安心しろ。でも、怪しい人物はいるかもしれないから気をつけて。」

涼介は警戒しながらも、軽口を叩いた。


その時、ふと一つの倉庫の扉が半開きになっているのを見つけた。香織と涼介は目配せしながら、そっと近づいていった。


「ここが怪しいわね。行ってみましょう。」

香織は静かに扉を押し開けた。


倉庫の中は薄暗く、古い家具や雑多な物が散乱していた。その中に、一人の男が何かを探している様子だった。


「おっと、出たなゾンビ…いや、失礼。あなたは何をしているんですか?」

涼介が声をかけると、男は驚いて振り返った。


「え、あんたたちは誰だ?」

男は慌てた様子で答えた。


「私たちは探偵です。この倉庫で何かお探しですか?」

香織が優しく問いかけた。


男はしばらく二人を見つめた後、ため息をついた。「実は…上司に命じられて、この倉庫に隠された資料を探しているんです。でも、何がどこにあるのか全然わからなくて。」


「なるほど。ならば、我々が手伝いましょうか?」涼介はにやりと笑った。


「え、本当に手伝ってくれるんですか?」

男は驚きと安堵の表情を浮かべた。


「もちろんです。でも、その代わりに私たちにも少し情報を提供してもらいたいんです。」

香織は交渉を持ちかけた。


男はしばらく考えた後、頷いた。

「わかりました。協力します。」


三人は協力して倉庫の中を捜索し、やがて隅の方に隠された古いファイルボックスを見つけた。その中には、星光産業の不正行為に関する証拠が多数含まれていた。


「これだわ。これで真実に近づける。」

香織は喜びの声を上げた。


「あなたの助けがなければ見つけられなかった。ありがとう。」

涼介も感謝の言葉を述べた。


「いや、こちらこそ。あなたたちの方がプロですね。」

男は恐縮しながらも笑顔を見せた。

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