私の学校には、「ずぶ濡れくん」という人がいた。「ずぶ濡れくん」は私たちと同じ高校の男子生徒だ。雨の日に、彼は決まって通学路のどこかで雨に打たれていて、生徒の間ではこの名前で煙たがられている。緩い雨の中、公園を横目に学校へと歩き続ける私たち。ずぶ濡れくんは空を見上げ、目を閉じている。彼はいつもひとり。そして私はずっと、そんな彼と話がしたかった――。文章がとても綺麗で、思わず見入ってしまいました!登場人物の心境や、表現が素敵だと思います。是非、見てみて下さい!